意味の政治
The
Politics of Meaning of Geertz' Interpretation of Culture, 1973
解説:池田光穂
ギアーツ『文化の解釈』1973
年、より
11.意味の政治:11. The Politics of Meaning
Culture and politics in Indonesia / ed.by Claire Holt, thaca : Cornell Univ.Press , 1972 の書評論文
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208 |
・「一国の政治はその文化のデザインを
反映している」(208) |
II |
212 |
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III |
218 |
・正統性の問題;「正当性という古典的
な問題——いかにして一部の者は他の人びとを支配する権利を受けるようにな
るのか——は、長期にわたる植民地支配の中で、規模は全国的であるが実体はそうでない政治システ/
ムが形成されたような国では、とりわけ深刻である。国家が、単に大権を掌握し自らの国民から己を
守ること以上のことをするためには、その行為は、その国家を自分たちのものとみせかけられている
人びと、つまり国民に密着しているように——すなわち、意味を拡大、敷衍すれば、彼らの行為であ
るかのように——思わせなければならない。これは単なる合意の問題なのではない。人は、自分自身
の行為を、自身がそれを行なったのだと認めるためには、その自身の行為を是認する必要がないのと
同じように、政府の行為を、それに自身が組み込まれているものとみなすためには、その政府の行為
に賛同する必要はない。これは直接性の問題であり、国家の「行なう」ことを、もともとは熟知し理
解可能な「われわれ」から発しているものとして経験する、ということの問題である。何らかの心理
学的手品的な説明がいつも政府の側、また最善の場合にはその国民の側で用いられる。しかし、国が
二百年以上も外国人によって統治されていた揚合には、統治者が交代したにしても、それよりはるか
に巧妙なトリックを必要とする」(218
-219) |
IV |
222 |
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V |
228 |
・別のアポリア:「社会科学者がどう主張しようと、社会現象の中には、
それが与える影響が直接的で深甚、あるいは
決定的なものでありながら、それが本当に起きるまで、その重要性を正しく評価することができない
ものがある。そのようなもののひとつに大規模な内乱があることは確かである」(228) ・論文の末尾は、ブルクハルトの引用で締められる。 ・【論文の末尾はのブルクハルトの引用】 ・「異なる民族聞の大小さまざまな違いを一不すことは可能かもしれないが、それらを公平に評価す るということは人間の洞察力には与えられていない。一民族の性格、良心、罪について本当のこ とは永久に分らない。欠点も、それが特性、時には美徳として現われるような側面をもっている のであるから。全民族について十把一からげ的な批判をすることが好きな者にはそうさせておけ ばよい。ヨーロッパの人びとは、たがいにひどい扱いをすることはありえでも、たがいを審査す/ るということは幸いにしてできない。現代社会のあらゆる面におのれの文明や業績を織り込んで いる偉大な民族は、その弁護者と告発者のどちらをも無視することができる。理論家の許可など あってもなくても、どちらでもよいのだ[J. Burckhardt, The Civilization of the Renaissance in Italy, 1954:318]」(233-234) |
12.過去の政治、現在の政治——新興国理解のための人類学の応用に関する若干の覚書: 12. Politics Past,
Politics Present : Some Notes on the Uses of Anthropology in
Understanding the New States
I |
238 |
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II |
244 |
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III |
255 |
・【結論】「……政治家というのは二面
性
をもっているものであって、いずれの面も確かにあるのであり、そういう複雑な立場にいるのだ、と
分け知り顔に言うことも、正しくないであろう。彼らについて確信をもって言えない、少なくともは
っきり、詳しく分っていないのであるなら、その入り混った声を分別して、彼らがそれぞれ何を言っ
ているのかを聞き出し、そのイデオロギー傾向を正しく見きわめられるようにしなければならない。
そのようなことをするためには、過去の攻治が現在の政治に及ぼしているイデオロギー上の影響
——今の場合で言えば模範的リーダーシップ、衰退するカリスマ力、演劇的国家術——を正確に測定/
することが必要不可欠である。そして、最後にもう一言いわせてもらえば、人類学はそ
のようなこと
を行なうのに理想的な立場にある。少なくとも、人類学が、太平洋のある島で、ともすれば忘れがち
であったこと、つまり、その島は孤立してあるのではない、ということ
を今思い出すことができるな
らば」(260-
261) |
脚注 |
261 |
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リンク
文献
その他の情報