狗獣戯画
canisologic caricature
青土社発行『ユリイカ』2021年4月号を買って読みましょう!!!
「狗獣人物戯画」——垂水源之犬(タルミゲンノスケン)こと池田光穂のスーパーエッセーを読みましょう!!!
最後の六頭目と七頭目がこれがこの絵巻では圧巻の部
分で、本当に格闘しているようです。両方とも雄のようで、七頭目の白犬が襲いかかって六頭目の茶毛の吻先に齧り喰らいついてます。しかし茶毛も痛そうなそ
ぶりを見せず、それに怯まず白犬の胴体を前脚で押し返して、まるで人間の大相撲みたいな激闘を繰り広げています。
最初はあばらの浮き出た雌犬でしょうか——おっぱいらしきものが見えます——が座って見返りしています。
二頭目は、頭と腹と背中に斑がある割と肉付きのいい仲間がお行儀よく座っています。
三頭目と四頭目は、どうも喧嘩している二匹のようです。三頭目は、雄ですね、ペニスらしきものが付いています。尾っぽをくりりと巻き毛も逆立ち気味で、その口は半開きでぐるるると唸っている感じです。しかし、まだ目に余裕がありますね。
四頭目は、これはどうも怒りで完全に頭来ている奴のようで、背中が「猫背」で丸くなって口を大きく開けてぐわんぐわんと吠えたばかりの顔しています。耳は平たくなって、目も血走っています。そして尻尾も丸まり、三頭目に対して完全に劣勢の状況です、これはもう!
四頭目の真下にいるのが五頭目ですが、これは三頭目と毛並みがよく似ていて、血を分けたキョウダイのような気がします。元気に駆けているようです。
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