かならずよんで ね!

価値創造という罠

Value Creation Trap, VCT

池田光穂

価値創造の定義とはこういうものらしい

”Value creation definition; The definition of value creation is giving something valuable to receive something else that’s more valuable to you. This definition is broad and captures both costs and benefits. ” https://bit.ly/3psSpv7

(価値創造の定義;価値創造の定義は、価値のあるものを与えて、より価値のある他のものを受け取ることである。この定義は広く、コスト(=価値のあるものを与えて)とベネフィット(=より価値のある他のものを受け取る)の両方を捉えている。)

これは、価値をめぐる「互酬性」の論理のことである。これまで伝統経済の原理を批判しつづけてきた、資 本主義、ないしはネオリベラルの時代は、ようやく、自分たちの価値をめぐる制度理解の「誤り」にようやく気づいたというわけだ。つまり、マルクス主義にお ける「搾取=窃盗=否定的互酬性」の原理批判から、脱却し、いま再び「均衡的互酬性」から「一般的互酬性」の社会を気づかねばならないというわけだ。

しかし、価値創造の原理が、先にあげた定義とおりだとすると、コストとベネフィットの関係は等号で結ばれるのではなく不等号で回すという考えから未だ脱却していない。つまりコスト(=価値のあるものを与えて)<ベネフィット(=より価値のある他のものを受け取る)というマインドセットから未だ脱却できないでいる。

一般互酬性の原理によると、不等号の連鎖は、ある時点では「大なり」不等号が、次の時点では「小なり」不等号にならないかぎり、関係性のネットワークは維持できないことにある。

価値創造という七色のメッキはその時点で剥がれていることに、人々は気づくべきなのだ。

●一般的互酬性・均衡的互酬性・否定的互酬性の区別

(1)一般的互酬性:すぐに見返りを求めない利他的な交換。親族や友人の間で生じる。親族間におけるお歳暮やお中元。当然のことながら両者の距離は〈近 い〉。

(2)均衡的互酬性:一回きりの互酬で等価交換を前提とする。結婚の婚資、和平協定、補償、贈与(お布施*)、物々交換など、事前の交渉があり、交換する 者 どうしに交換されるものが等価であるという合意がある。両者の間に、親密性は必要がないが「否定的互酬性」がおこらないために、ある程度の信頼性が必要で ある。両者の距離は〈やや近い〉、一般的と否定的の中間に位置する。

(3)否定的互酬性:自分の損失なしに利益を得る交換。一般通念では互酬と思われないような、横領や詐欺、強奪など、(名誉の付与などがない匿名の)寄付 な どを受ける行為もこれに含まれる。生物の共生関係でいう片利共生——一方だけがメリットがあり、他方は何の特にもならない——や寄生にあたる。両者の関係 は〈遠い〉あるいは、それを避けるために〈忌避〉関係にあることが多い。また、多くの社会道徳は、このことを禁じている。

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