みなまたびょうについてしろう!
かいせつ:いけだみつほ
みなまたびょう、の漢字はつぎのように書きます
みなまた = 水俣
びょう = 病(=病気のこと) 大人の方へ
みなまたびょう(水俣病)とは、こうじょうからでる、きたないみずのなかにふくまれている、きんぞ くが、うみやかわをよごし、そのよごれたみずでそだった「さかな」や「かい」をたべたために おこるびょうき(=けが)です。
みなまたびょうは、こうがいびょう(公害病)のひとつです。
そのきんぞくのなまえは、めちるすいぎん(メチル水銀)と、 いいます。
きんぞく:「てつ」や「いし」などのかたいもののなかま
みなまたびょうというなまえは、くまもとけんみなまたし(熊本県水俣市)でさいしょに、 びょうきがわかったためにつけられました。けれど、ぜんこく、あるいは、ぜんせかいで、きたないみずでそだった「さかな」や「かい」などをたべたひとに も、おなじびょうきがうまれました。
せいふが、みなまたびょうは、せいふが、びょうき(=けが)が、ほんとうにあると1956ねんに、みとめました。しかし、げんいんが、なんであ るのか、よくわかりませんでした。3ねんごに、こうじょうからでた、きたないみずが、そのりゆうであることをはっぴょうしました。しかし、せいふや、こうじょうのせ きにんしゃは、それをみとめようとしませんでした。そのために、それをみとめるのに、さらに10ねんもかかりました。そのあいだに、みなまたからとおくは なれた、にいがたけんでも、おなじびょうき(=けが)が、 みつかりました。1965ねんことです。
みなまたびょうは、こうじょうからでた、きたないみずのなかに、びょう きになるきんぞくがふくまれていたためにおこりました。だから、このびょ うきは、にんげんがおこしたびょ うきです。
にんげんがおこしたびょうきということは、それはびょうきというよりも、けが、それも、ほかのひとに、けがをさせたといういみの、けがのほうが、びょうきよりももっとせいかくです。
このケガにされた人たちは、みなまたとそのまわりに住んで いたひとたちでした。みなまたにはケガにならない人たちもいました。みなまたの人たちは、まわりの人たちから差別(さべつ)されました。だから、「みなま たびょう」というよびかたはやめようという人もでてきました。けれども、みなまたびょうというケガをした人も、みなまたに住んでいる人たちは、悪いことを していません。ケガをした人たちを、みなまたということで差別(さべつ)した人たちが悪いのです。そして、もっと悪いのは、毒(どく)を海に流した会社 や、そのことを認めていた県(けん)や国(くに)でした。だから「みなまたびょう」がどうし て多くの人にケガをひきおこしたのかがわかったとき、会社・県・国に、毒を流していたことの責任(せきにん)があるとみんなは考えました。
だから、会社ではたらいていた人、県に住んでいた人、日本 という国に住んでいた人は、みなまたびょうというケガになった人に責任があります。苦(くる)しんで死(し)んでいったひとは、生(い)き返(かえ)りま せん。体が不自由になったり痛みで苦しんだり人は、元の体には戻せません。苦しんでいる人がいるのに、みなまたびょうであることが認められていない問題 は、いまだ解決していません。この責任は日本のみんなにあります。責任を、私たちはどのようにとればよいでしょうか?
責任をとるにはどんな方法(ほうほう)があるでしょう か?:たとえば、公害(こうがい)について勉強し、どうしてこのようなケガがひどくなったのかについて、むかしがおこなった悪いことをよく知ることです。 また、公害を減らすための方法について勉強することです。
公害は、人間がおこしたものです。人間がおこしたものなの ですから、人間しか公害を防ぐことができません。皆さんが、公害病のことを忘れたりすると、また次の公害によって自分たちや友だちがケガをするかもしれま せん。みなまたびょうは、みんなが、そのおそろしいケガであることを忘れるかもしれない点で、まだまだ未解決(みかいけつ)の問題なのです。
みなまたびょうについてもっとしりたいキッズは・・