KAP
キャップ(知識・態度・実践), Knowledge, Attitude and Practice
解説 池田光穂
国際協力における開発研究や応用人類学で 使われる、住民の行動をモニターする3つの視点。KAPとは、知 識(knowledge)、態度(attitude)、実践(practice)のことであり、経済開発や保健協力などの開発プログラムが、住民の3つの 観点を調べ、それがどのように変化したのかを調べることが目的である。
ここで、開発学は合理的な認知にもとづく知識の獲得と、それによる行動の変容という〈合理的人間モデル〉 に凝り固まっているのだという批判をおこなうことは早計である。知識や態度などが変化しても、実践が変わらないこともあるし、その逆もある。
したがって(もちろん好意的に解釈して)この3つの視点に分割した人間理解は、あくまでも経験的事実から それらの間の齟齬を発見し、より現実的な解釈を引き出すための自己発見的(heuristic)な方法論的にもとづくものであり、開発研究の現場に人間の 普遍的モデルを発見するという愚かな目的のために使われるものではない。
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