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アリストテレスの倫理学講義

Introduction to Aristotle's ethics

Mitzub'ixi Qu'q Ch'ij

講義目的(→関連情報「レクチャー:西洋倫理学の3つの伝統に関する講義」)

講義内容

● 『ニコマコス倫理学』におけるアリストテレスの議論の進め方

● ここでいう実践知とは、思慮あるいはプロネーシス(φρονησιζ)のことである。

● 魂(たましい)には、理性的な2つの部分がある(1139a*)

(1)エピステーモニコン(知識的部分)

(2)ロギスティコン(理知的部分)

● たましいの中には、人の行動と真理を支配するものが3つある。

● 2つの思考

● 魂が肯定/否定することにより、真理に到達する際の状態を5つ想定しよう。(1139b)

● 第6巻第5章 思慮=実践知=プロネーシス(1140a)

● 全体について考えるだけでなく熟慮する人(ブーレウティコス)が、思慮ある人(プロニモス:φ ρονιμοζ)である。

● 思慮は学問的知識ではありえず、また技術でもない(1140b)

● 技術(第6巻第4章,1140a〜)

他の仕方でもあり得るものには次の2つがある。

(i)つくられるもの=制作=ポイエーシス

(ii)おこなわれるもの=行為=プラークシス

◆ 暫定的結論:

● 善き行為(エウプラークシアー)そのものが、行為の目的になる(思慮ある状態にあるときには ・・)

● 技術には徳があるが[=技術の行使には、そのための徳が必要だが]、思慮(実践知)にはそれの 徳がない 。1140b, p.266

● 知性との対比のなかで、思慮の一般的性格を浮かび上がらせる(1141b)

● 統括的なもの(アルキテクトニケー)=政治に関わる思慮つまり政治術ないし政治学

● 思慮という共通の名前

● 加齢と思慮を身につけること

● 思慮は知識(エピステーメー)ではない!

● 理解力との対比によって明らかになる思慮

● 思慮=実践知とは、知ることではなく、おこなうことにある

※【復習】

● まとめにならない[=相互に矛盾する?]まとめ(1144a, p.288)

(i)知恵も思慮も何もつくりださないけれど、それ自体では望ましいものである。

(ii)知恵も思慮も何かをつくりだすが、それは医療が健康を作り出すようなことではなく、健康 が健康をつくりだすようにである。

(iii)人間のはたらきは、思慮および〈性格の徳〉により果たされる。徳は目標を正しくし、思慮 はその目標のための物事を正しいものにする。

● 才能(デイノテース)について

● ソクラテスの誤り方から、思慮のあり方について知る

● 思慮なしには徳はありえないが、また思慮=実践知だけがすべてではない!

● 徳の2つの分類(1103a, pp.53-54)

(i)思考の徳(ディアノエティケー・アレテー)

(ii)性格の徳(エティケー・アレテー)

◎ 解説 comment

藤井義夫『アリストテレスの倫理学』p.137, 岩波書店, 1949

●エウデモス倫理学の内容——アリストテ レスの弟子の1人であったロ ドスのエウデモスEudemus of Rhodes)が編集したとされることからこの名が付く。

●大道徳論(大道徳学)の内容