高校生のコメントに垂水源之介が全部答えます
All about Don. Gen-nosuke Tarumi
池田光穂
先だっての講演に、ご丁寧に大阪府立春日丘高校の生徒さん——君たちはがわず か2年たてば大学の学生さんになるから不思議だね——からコメントが送られてきた。う〜、み んなそれぞれ考えさせられることばかりじゃ。というわけで一気にコメント掲載し、そのリプライも書くことにいたします。なお、コメントは【C】として、字 句の修正などを加えてあります。私=池田光穂の返事は青地で【R】[リプライ]として書かれ てあります。
※はじめにこのページに飛び込んで背景知識がない人は、まずこちらを参 照してください。
高校生のコメントに全部答えます(本編)
【C-01】少し自己紹介の時間が長くて疲れました。文化人類学者がどのよう な事をしているのかを聞いて、この世界の中で必要不可欠なもの だと思った。世界史でいろいろな戦争があったけど、それ以前に、この学問のような取り組みをしていれば、もっと争いが減ったのではないかと思う。このよう な学問がある今、もう戦争は起きないでほしい。
【R】いえいえ自己紹介のところですでに内容に入っているのです。それを読めない君はまだ若 いねぇ!教師(凶師とも言う)の言うことの一歩先を読むのじゃ!
【C-02】文化人類学についての講義を聴けて、今まで文化人類学について何も知らなかったので、面白かった。医療人類学の紹介のところで 紹介されたような、性の分布、人口の分布からよみ解くことは面白そうだと思った。質問に対して快く回答してくれてありがとうございました。
【R】ありがとうごえぜますだ!
【C-03】第一印象は春日丘のとある先生にとても似ていて明るそうな人だと思いました。自分の経験を通していたので、具体的な話ばかりで 面白く、勉強になりました。フィールドワークでそこの現地の人々と暮らしてゆくことは、とても大変だと思ったし、そこで暮らす前に言語を理解しないといけ ないので、ものすごい努力とやる気がないと、とてもじゃないとやっていけないと思いました。今は約2000の言語があるのに、辞書がない言語の場所にいく のは、ありえないと思ったけど、誰かが交流しないとずっとわからないままなので、[文化人類学者に]がんばってほしいと思ったし、もし興味が出てきたら、 自分も頑張りたいと思った。
【R】興味があるなら君も文化人類学や記述言語学も貢献できるはず!がんばって!ん?ところ で「春日丘のとある先生」とはY先生のことかな?【C-06】のコメント参照。
【C-04】春日丘の出身で親しみがもてた。池田先生の体験談がいろいろ混ざっていて、とてもわかりやすい講演だった。文化人類学という学 問は、今までほとんど聞いたことがなかったが、生活の記録(ethnography)など、自分の身近なことにように感じるものがあり、とても面白そうな 学問だった。
【R】ありがとうごえぜますだ!
【C-05】とても、難しい話だった。教授になるためには、いろいろな場所でいろいろ学ばねばならないんだなと思った。夢に向かって僕も努 力していかなくちゃいけないと強く思いました。ありがとうごぜえますだ!
【R】ありがとうごえぜますだ!【R】ありがとうごえぜますだ!【R】ありがとうごえぜます だ!
【C-06】はじめのほうは、話が難しかったが、後半になるとだんだんよくわかるようになった。質問をした時の返してくれる言葉が面白かっ た。人生は運も必要だということがわかった。でも笑いのセンスがY先生に似ていました(笑)!!
【R】そのY先生に一度会いたいものじゃ! 文化祭でガチンコ対談でもしますかね?
【C-07】文化人類学という学問を知らなかったので、どのようなことをするのか興味を持ったけど、要するに「他の民族、もしくは他人(自 分以外)のことを、よく知ることで、自分のことをよく知ろうとする学問」なんだと思った。ホンジュラスの話を聞いて、日本と比べると医薬品や医療に関する ものがとても少ないんだなと思った。虫歯の治療でも日本と違ってかなり劣った治療の仕方をしていたりなど、文化の違いを目の当たりにすることができた。教 授になるための話を聞いてこれからの勉強について少しコツを得たような気がした。
【R】勉強の励みになれば幸いです。
【C-08】すばらしい講演ありがとうございました。最初の先生の時代に制服から私服に変わったという話は面白かったです。文化人類学とい うものに少し興味がわきました。僕たちの質問にも的確かつわかりやすく答えてくれて良かったです。やたら元気なおっさんが前で喋っていて、元気をもらいま した。自分たちの学校の先生に酷似していて焦りました。僕は坊主頭が好きです。是非そのままのあなたでいてください。僕はあなたのことを忘れません。いや 忘れることができないでしょう。今日、この日あなたと会えたのは運命としか言いようがありません。僕の名前を忘れないでくだだい。いつか有名になります。 先生もこの人生というステージを有意義に過ごすためにも毎日を全力で生きていてください。僕も生きます。最後に一言、ゲッツ!!
【R】はい、そうです。1973年の2年の生徒会の書記だった時に、会長であったNさん(物 故者—合掌)らを説得して「やっぱりテスト期間設けて試験的に一学期をこの方式で導入したら、みんなカジュアルになれて地滑り的に[制服]廃止になってい るはず」主張したのは、この私です。第一学期の全校集会では、過半数を取れなかったので、私たち少数[廃止]派の術策はこれでございました。テスト期間終 了後の3学期での二回目の投票では圧倒的に多数で、制服は無事?廃止されたのでございました。お〜ちなみに、私は卒業式にとんでもふざけた答辞——私が選 ばれた理由はそこにあるらしい——を読んで、こっそり来場していた母親に「我が家の恥」とこっぴどく怒られたのでございました。てなことは脇におき、熱い メッセージをどうもありがとさん!
【C-09】自分が今まで考えていた考え方や価値観はとても小さいものだと今回の講義で教えられました。文化人類学は自分たちの世界観をよ り深く学ぶ学問なんだなと思いました。自分のやりたいことは、他者だけのためでなく、自分のためにワガママに楽しく実践をモットーにやることが、両者のた めになるというのは、とても興味のがあった。やっぱり机の上で知識を詰め込むことより、フィールドワークを自ら体験して学ぶことが大切なんだなぁと思いま した。自分の夢には、具体性が大切で、行動をもっとおこさないといけないと思いました。
【R】そうでおます。あなたの何気ない行動が世界を変えることもあるのです!
【C-10】池田先生の話は、けっこう難しく、あまり理解できない部分もありました。阪大の教授というとても偉い人でかたくるしい言葉を 使って講義をするかなあと思っていたけど、やわらかい言葉も使っていて聞きやすい講義でした。今日、学んだと思ったことは、大学での研究ってだいたいこん な感じかなあってことが分かったことです。池田先生は文化人類学という学問を専門としているけど、研究の基本的なイメージみたいなのが分かって良かったで す。
【R】いえいえ、大学にはもっと面白い先生がいっぱいいるぞ(とくに阪大には——だからと いって君が入学後に酷い先生と遭遇しても品質保証はしませんので御注意ください)!
【C-11】普段の授業ではなかなか体験できないとても貴重な体験ができたと思います。今日の授業を聞いて文化人類学がいかに奥が深いかと いうことが分かりました。また、大学での勉強や研究についての詳しい説明が聞けてよかったです。今日話してもらった将来に向けての内容などを参考にして自 分の夢に向かって頑張りたいと思います。
【R】文化人類学入門のリンクアクセスもどうかよろしく!
【C-12】▽阪大の教授の話は難しいのかなあと思っていたら、思った以上にわかりやすい内容だったので、理解しやすかったです。文化人類 学を研究するうえでフィールドワークが重要だということを知りました。私は海外に出たことがないのですが、実際に外国で体験するのも面白そうだなと思いま した。▽先生の話の中で、最初のほうは霊長類を学んでいたけれど、人間についての研究に変更したと聞いて「大学って学びたい内容が変われば、変更意外にで きるんだなあ」と感じました。加えて大学での学び方は、高校とは違って決して受け身でないことも教わりました。▽今、現在やるべきことという質問の回答の 中で、まず目標、夢をはっきりさせるが大切というのを聞いて、私、未だはっきりしていない夢を自分で真剣に考えなければならないと考えました。
【R】はい、あなたの講演の理解は非常に柔軟性があり、しっかりと講演の内容を自分のものと して消化されておられます。言うことなぁ〜し!!
【C-13】文化人類学という学問があるとは知りませんでした。人類学者が研究するには対象の民族と過ごし、分析・考察する。そのためには 文化を知り、言語を知らなければならないと聞きました。民族語や文化を知るのは、大変そうだなと思いました。異文化の土地での、その土地のことを分析・考 察できることは面白そうでした。初めて知ることができた言葉がたくさんあったので大変勉強になったと思います。
【R】これからの進路の参考になれば幸せです。
【C-14】あらかじめ先生のホームページで予習していなかったのでよく分からない部分もあり論点がズレているかもしれませんが、僕は「自 民族中心主義」「文化相対主義」という言葉が印象に残りました。「自民族中心主義」というのは、戦争の原因になるのみならず、最近問題になっている「いじ め」の問題にもつながっているような気がします。そこで「文化相対主義」という考え方はとても大切だと思います。先生のような研究をしてそのようなことに 気づきが増えたらすばらしいと思います。
【R】ベリーぐーですね。下記のリンクをみてください!講演で話した内容を別のかたちで表現 したものであることが、おわかりになるはずです。
【C-15】確かに人は自分が一番正しいと思う、自民族中心主義というものがあると思います。実際、私にはこの自民族中心主義が強いと思い ます。私は昔から、こだわりが強くてこじゃなきゃだめ、とか自分の考えをつき通す人で、何でも言える人にはワガママばかり言ってます……。たぶん私が外国 に行ったら自分が理解できないものは受け入れたくないって、そう思ってしまうと思います。私は日頃から、この性格を直したいと思っているのですがなかな か……。この性格で私の視野はものすごくせまくなっていると思うし、損をしていると思います。でもやっぱり少ずつでも自分から譲歩していくことが大切です ね!! 他人の考え方とかも取り入れて前に進んでいくべきだと思っています! 私は将来、商品開発とかしたいので、チームを組んで同じチームの人たちと話 し合いながら、仕事を進めなければいけません! 今回の講座で自民族中心主義から少づつでも自由になっていこうと改めて思いました。ありがとうございまし た。
【R】べつにチームワーク中心主義について話したわけではないのですが、チームワークを行う 際にも、他者の違いを認識し、自分の意見を尊重するのと同じ態度で他者の意見も聞き、納得いくまでお互いに議論するのが大切ですね。
【C-16】正直、難しくてあまり理解できなかった。現段階では頭が悪いので、ある程度頭が良くなってから聞いたら面白かったのではないか と思った。テーマはすごく興味深いものでした。ただ、医療文化人類学についてもっと話してほしかった。
【R】う〜ん、ホントに頭悪いひとは、自分のことを頭悪いと他の人には言わないので、君は本 当は頭は悪くないのではないでしょうか?——理解したいという気持ちを先延ばしにしているだけです。じゃ明日君の頭がよくなっているかというと、自ら努力 しないと良くならない。君は、中途半端に頭が良くないのか、良くなるような努力をしないタイプなのでは(もしそうでなければ、謙遜しているか、馬鹿のふり をするずる賢い奴——しかし前者の可能性は低い)しかし、でも本当はこういう状態は良くないね。ポジティヴに生きましょうね!
【C-17】最初、文化人類学って何か全然想像もつかなくて、どのような講座なのかと少し興味を感じていた。文化人類学は他国に行って生活 を記録しethnography(民族誌)を作成して、それを分析・考察したりするのだと聞いて楽しそうだと感じた。日本では怪我をした時、すばやく救急 車で運ばれるけど、ホンジュラスではハンモックに寝かせられ、長時間かけて運ばれることを知り、経済の発展の差を感じ、また治療の方法も異なり、医療や文 化の違いがこんなにも大胆にあらわれていることを知った。
【R】ところが、重病をしてもみんなに心配され、無償の努力を惜しまない人たちに囲まれてケ アされること(=ホンジュラス)と、治療に対応できる十分な医療機関があり設備万全でサイレン鳴らすと他の車がよけてくれる救急車の完備された日本で、受 け入れ先病院がないためにたらいまわしになり重病人が手遅れで死んだケース(=実際に日本で最近あった事例)と、どっちが幸せって考えてごらんなさい。私 たちだって、最高の医療水準の世界で生きているわけではないのです。あるいは、病人の幸せを医療水準だけで計ることは間違っているというべきでしょうか? よく考えてください。文化人類学は奥が深いでしょう?【C-11】を参照。
【C-18】とても難しい部分もあり、わからないところもあったが、自分の民族を理解するためには、自国の中で勉強するのではなく、他国か ら見た自国の文化を理解しないといけないということだと僕は思った。そして、それをするためには、他国の文化を理解しないといけなくて、そのことと文化人 類学が関わっているのかなあと思った。
【R】はい、短いコメントですが、的確な要約なのではないでしょうか。
【C-19】話の内容は自分には難しすぎてよくわからなかったけど、先生の話は面白かったです。
【C-20】あまり文化人類学についてよくわからなかった。でもなかなか面白かった。
【R】君たちの顔色で理解したかどうかを知ることはよくできなかったけど、講演できたことは 面白かったです!
【C-21】今回の講義を聞いて、あまり理解はできなかったが、将来について少し前向きに考えるようになったかもしれない。別に勉強ができ なくても、自分のやりたいことを頑張ってみれば、なんとかなるかもしれないこともわかった。今、僕もあまり勉強ができないので、とても参考[原文:さんこ う]になった。文化人類学については、もっと話すかと思っていたが、あまり話さなかったので、よく理解できなかったかな? まぁホームページででも見てみ ます。
【R】う〜ん。困ったねぇ。なんでもアバウトにやればいいというわけではないよ。希望はアバ ウトに戦術は篤実(とくじつ——こつこつと的確なこと)にというのが、私の言いたかったことなのよ。
【C-22】私の中で、文化人類学と言われるとどうしても調査して今までのデータを分析・考察する分野だというイメージが強かった。今回の 講義では、それは半分正しいが、研究対象の人々の中で生活し、自分自身でその民族を理解するものだと知った。分析・考察も大切なものだけど、私は、この フィールドワークがとても重要なものだと思った。はじめに説明していた自民族中心主義的な日本や中国、アメリカ(米国)は、分析・考察はよく行っている が、フィールドワークをしている人はかなり少ない。それに対しても、積極性も、この世界が一体となりつつある時代にしてはかなり遅れている。確かに、科学 技術を発展させることもとても大切だけど、それにともなって心のつながりを強く存在しないといけないと私は思う。だから特に経済的に余裕のある国は、 フィールドワークをより行って他の民族間の橋渡しをすべきだと思った。
【R】3つめの文章まで、私は君に同意します。しかしながら、文化人類学を実践するのは、あ くまでも文化人類学者という個々人の活動や、学会などの研究者の集団でございます。文化人類学がおこなう実践や表現行為と、学者や学者の国がパラレルに関 係があるというわけではありません。どこの国の文化人類学が度量が狭いとか広いということはありません。文化人類学者以外の研究者もおなじくらい多様性が あります。
【C-23】今日は理系の講義を聞くつもりだったので、結構文系の講義に変わってしまい、残念でしたが、この講義もとても楽しくて明るくて よかったです。快く引き受けていただきありがとうございました。私は医療系の仕事につきたいのですが、今回話していた医療人類学のこともだいぶ学ばなけれ ばならないんだなあと思いました。この時間内には、説明できないほど複雑なことらしく頑張ろうと思いました。講義的には文系の講義だとは思いましたが、先 生の学歴的には理系的なことが多かったので、これからの進路の考え方の参考になりました。私は上に医療の仕事に就きたいと書きましたが、親や担任にとても 反対されていて、やめようかと悩んでいます。他に特にやりたいこともなく、先生の言う「夢を持つ」ということがまだ、できていません。現実的に考えてみる と、やりたい仕事も自分には無理そうな気がとてもして、どうすればいいか分からなくて悩んでいます。
【R】私は夢をもつことは重要だともうしましたが、それよりも重要なのは、それを着実に実行 に移すことです。たぶん、ご両親や担任の先生が反対されているのは、君の夢を潰そうとしているのではなく、君が、その夢を叶うだけの着実な努力をしている のかということについて危惧しているのでは? もしそうだとしたら、そのような不安材料をはねのける証拠が必要です。証拠の中には情熱だけではなく、確固 とした情報や学業上の成績も必要となるでしょう。そのような努力をしていますか? 夢をもっているなら、自信と確固とした証拠をもって周りの人たちを説得 しましょう。こういう努力も必要なのです。
【C-24】文系の学問だと思っていたけれど、先生も高校時代は理系だったりとどっちとも言えない学問だと思いました。最初のほうに、小さ な事でも自分のためにならないとくずになるというのが、印象的でした。高校の授業で大学進学やこれからの将来に必要のない教科に対して気を抜きがちでした が、何かしら役立つだろうから頑張ろうと思いました。フィールドワークとしていろんな現地にいく時に、どうしても自分の国、文化が一番だと思いがちだけ ど、その土地ごとに大切にしていることは違うから大切にしないといけないと思いました。その土地ごとに大切に思う気持ちや尊敬する気持ちをもってすれば、 民族間の争いが少なくなるとおもいました。勉強の方法を確立していかないと思っていたので、勉強する時は体を動かしてやろうと思います。どうしても暗記で やってしまうので、人に聞いたりして能動的に動こうと思います。
【R】はい、いいことですね。がんばってね! 君には文系と理系の区分が、それほど重要では ないことを指摘した私のページを紹介してあげましょう。
● 科学文献の読解
【C-25】大学の教授はどんなことについて学んだり、研究したりしているのかについて興味がありましたが、それについて知る機会があまり なかったことと、自分で調べようという意欲がわきませんでした。でもこの話を聞いていると、もっと知りたいという気持ちが出てきました。今は昔よりも、ず いぶん自民族中心主義的な思考による民族間の争いは減ってきたがアメリカとイラクのように問題が残っているところもある。相手の文化や生活についてお互い がもっよ理解を深めることができたら、この争いもなくなっていくのだと思うが、何千年も前から存在する国の考えをすべて理解するというのは、不可能なこと だと思う。それに争っている相手についての文化や生活について学びたい、理解したいと思うことはできないと思う。だから民族間の紛争をやめるためには、平 等な立場から考えを述べることのできる第三者の手が必要なのだと思う。
【R】う〜ん、その第三者の視点を当事者ならびに観察者の両方にもってもらうような方法論上 の革新的な提案をしてきたのが、文化人類学における解釈という視点(論点)なのである。だから、この場合は、行政・立法に対する司法のような第三者ではな く、だれもがもちえる「第三者の視点」という意味なのです。わかってもらえるかな?
【C-26】直前に講師の方が変わって「どんな話かな?」とか「文化人類学って何だろう?」といろいろ考えてたけれどとっても面白いお話で した。はじめの先生の自己紹介で「獣医さんになりたくて」という言葉にまず少し反応してしまいました(笑)。私も今、獣医さんになりたくて将来のことを考 えています。だから、始まるまでよりも真剣に聞こうと思いました。お話の内容ははじめ聞いた時「難しそう。わかるかな?」っていうのが、第一印象でした。 でも、お話しを聞いていくにつれて「なるほど」とか「」こういうことか」とか少ずつわかって面白かったです。やっぱり内容は難しかったけど、今まで知らな いこと、考え方を教えてもらってとても役に立ちました。今日は本当にありがとうございました!!!!
【R】暖かいコメント ありがとうごぜえますだ!! こちらも参考にしてね! おっ!そういえば【C-34】の人も獣医志望だったよ。獣医コメント はそちらへ!
【C-27】医療人類学と聞いて、理系のような気がしたけれど、内容は文系だった。ちょうど授業でやったところが出てきて、よくわかったと ころもあったけれど、分からないところもあった。中国やアメリカは自民族中心主義の思想が強いというのは確かにと思う。この二国は京都議定書とかにはいっ ておらず、他国とのチームワークが感じられない。国であれ、自分のことであれ、チームワークは重要であるとわかった。
【R】う〜ん、チームワークの話やないねん。【C-15】へのリプライも参照にしてね。
【C-28】文化人類学というふだん聞いたことのないことを聞けてよかったです。今まで文化人類学のような学問について興味がなかったけ ど、少し興味をもつことができました。ホームページを見たりしてもう少し詳しく知ってみようと思います。ありがとうございました。
【R】これからもウェブページをよろ しうおたのもうします!
【C-29】全体的にすべての話を聞いて吸収できたわけじゃないけど、先生が言っていた事でなるほどと思ったのは、勉強にストイックになる 必要はない、という事でした。勉強は将来のためなどとまじめにとらずに、もっと積極的に楽しく学べばいい。そのとおりだなと思いました。どうせ同じことを するなら、よりとこどりでいけばいいなと思いました。先生の話を聞いていると先生が今していることを本当に楽しんで行っているだなあと伝わってきたし、私 も将来働くなら、こういう風にやってて楽しい仕事につきたいと思いました。生きているとそんなに楽なことばかりじゃないけど、考え方ひとつでどんなに明る くなることかと思いました。先生の話を聞いて新しい視点がたくさんあり、今自分がしている事が万人にとって必ずしも正しいとは限らないということも学びま した。現実的な事として大学のお話も聞けて参考になりました。こういう場所で質問をしてもはっきりと答えが返ってこないことが多かったですが、とても具体 的でためになる解答をして頂いてありがたかったです。これからの自分の人生に役立つと思います!!ありがとうございました!!!
【R】はっ! どうもありがとうごぜえますだ!!
【C-30】自民族中心主義、人々はみな自分が正しいと思う主義。こんなことは、ほとんどの人間がもっているものではないか。また、文化相 対主義=他者に対して自分とは異なった存在を認める主義、これは今、みなが忘れかけていることだと思った。この講義を受けてつくづく思った。
【R】う〜ん。これでは単なるオウム返しでございます。自分が、この教訓をどのように自らの 肥やしにしたかということが重要だな。
【C-31】正直言うとあまりというか、ほとんどわかりませんでした。しかし、勉強とはどのようにするものであるかということなど、自分の 身近なことは言われてみればそうだなあというのも中にはありました。あと、「文化人類学というのは、自分たちのことを最も正しい存在だと思うこと(自民族 中心主義)から自由になって考えることである」という池田さんの発言はすごく心に残りました。ちゃんとは、わかっていないんですが、自分で勝手に理解する ことができました。このことは初めての経験でした。やっぱり大学に行くことはすごく大人びた言葉を学ぶという風に思い直しました。
【R】う〜、自分で勝手に理解できている君に、わしの助けはいらないはずじゃ。がんばりん しゃい(なぜか方言モードで)
【C-32】今まで文化人類学というものはよく知らなかったけど、とても面白そうだなと思った。もともと私は考古学だとか民族学とだとか、 そこらへんの話を聞くのがとても好きだ、将来そっち系にいけたらいいなぁと思うくらいなので、期待してとおりの話が聞けてとても嬉しかったです。あまり時 間としては多くなかったけど、興味ある話ばかりでとても良かったです。質疑応答の時の民族言語の話も面白くて勉強になりました。
【R】はいはい、わたくしは「そっち系」でございますよ。こういうボキャブラリーは私はほと んど使ったことがなかったのですが、この語感を私は嫌っているわけではない。ただし、言葉使いは、とことん不正確になると思いますよ。その例)いや〜きみ のあっち系、は僕のそっち系と似て非なるものなんだが、そっち系のなかにもあっち系もあったりして、お〜お湯が沸いとるやんか、おっと触ったらあっちっち 系だったりして!
【C-33】文化人類学というのは、単体の言葉とかの意味で何となくどんなものかはわかるような気がしますが、よく知らない学問でした。そ して、話を聞いたり調べたりして、思ったことが「私にはあまり向いていない」でした。理由は単純に文章力がないからです。ただ内容にはとても興味深いもの もあって面白かったです。いろんな国に行って現地の人と一緒に暮らして、その人たちのことを研究するというのは、すごく大変そうだけど(命かかってそ う)、多くの自分たちとは違う民族や生活の人と知り合えることが私にとってすごく魅力的に思えました。私は旅行で(しかもツアーで一回だけ)しか外国に 行ったことがありません。英語も苦手だし外国人とのコミュニケーションなんてほとんど全くできませんでした。人類学を研究できるほど人と深くは関われない とは思うけど、自分もいつか外国に一人で行って、そこの言語で人と関われるようになりたいと思いました。ちなみに質問、池田先生——というか文化人類学 者って普通——は何カ国語くらいはなせるのですか?
【R】う〜ん、いやいや、そのようなアンニュイ(倦怠感)のある文章を読ませてもらい、こち らも怠(ダル)くなったので、君は十分に文章力(筆力)ありありと思った次第。たぶん、この手の文章を書いた君のトレーニング源は、携帯系かな?。天才 的。あっち系について触れた【C-32】へのリプライも参照。
おっと!言葉の話でしたね。私の話せる言語は、日本語、スペイン語、英語、と調査言語のマヤ 系先住民言語であるマム語(北部方言と中部方言)です。しかし世の中の人類学者には、そりゃもうすごいポリグロット(=たくさんの言語を操れる人)がいっ ぱいいますので、私は貧弱なほうです。もっともすごいと思ったのは、アフリカの記述言語学者で私たちの職場から出奔され行方不明になったS(元)教授の事 です。目の前で話者に特定の言語文章を話してもらい、それをすらすらと表音記号で記述し、さらに2,3の質問をした後で、文法の構造を推論し、今度は自分 で文章をつくり、その話者の人に正誤を確認しました。S教授のことを凄いと思ったのは、「言語には決まったルールがあり、そのルールを知れば誰にでも話す ことができる。言葉が上手いとか下手なんて思いこむんじゃなくて、そのルールを知っているか知らないかだけなんじゃ」(口振りは私風にアレンジしました) とおっしゃってくれたことでした。こういう大先生に実例つきでデモやってもらったら、誰でも感動するのじゃないかと思います。
【C-34】生物の話を聞くつもりだったので、変わってしまって残念でした。文化人類学になったと知ってさらに残念に思いました。私は獣医 になりたかったので生物だから取ったのであって文化で人類ではかけ離れすぎていて人間嫌いでもある私は一気に興味を失ったのです。ホームページでは医療と も書いてあったので、まだましかとも思ったのですが、プログラムには書かれていなかったのであきらめました。池田さんの授業は悪くないと思います。けれど も夢が決まっている人にとっては、こういう講座は有意義になりにくいと思います。夢が決まっているのに「自分の進路をよく考えろ」と先生に言われた時はど うしたらよいのでしょうか。また夢が決まっていて自分で調べてもいる状態で、進路講座を学校がやることを有意義にするにはどうしたら良いでしょうか?
【R】なるほど一見ごもっともな意見です。しかし獣医のほうが人間の医者よりも、人間好き じゃないと商売できないということを、君はまだ知らないようです。家畜やペットは人間に飼われており、獣医医院・病院に連れられてくる前は、その飼い主た ちが、その動物の病状についてよく知っています。人間の医学でいうところのムンテラ(=口先で安心させるという意味もあるが、本来は、患者ないしは患者家 族から口頭のやりとりで病状に関する情報を引き出す診療過程の第一歩の活動)は、喋れない動物ではなく、人間にやらねばならないから、獣医の仕事の中に、 対人的側面は重要になります。おまけに、家畜もペットも経済動物ですから、持ち主/飼い主は必死です。人間の病人なら口先でも(=言葉で)安心させられま すが、獣には口先は通用しません。しかし、治療を満足に遂行するためには、動物だけではなく飼い主にもケアしてあげないとならないのは先にも言ったとおり です。獣医はシビアな人間を相手にする客商売だと言うのが結論です。自分の進路をよく調べなさいとは、自分がプロになった時にどのような仕事をしなければ ならないのか、そのことを確実に予測することができるということなのじゃないかな。なにごともニヒル(皮肉屋さん)になってはいけません。
獣医志望の【C-26】のコメントもありますよ、参照してね。
【C-35】文化人類学について私は全く知りませんでした。しかし、この学問の基本にある文化相対主義のような考え方は、国際化がすすみ続 ける社会のなかで、多くのものを見てより良い人間関係を築く上でもとても大切なものになっていくと思いました。自分が正しいと思うことは今まで何度もあ り、周りをみて考えを受け入れることをしていなかったことがありました。私は将来、人と関わりをもつことが必要となる仕事につこうと思っています。その時 に、この考え方を思いだし、多くの考え方、見方を自分の中に受け入れてお互いを知っていきたいと思います。
【R】はい、君はもうわかっているので、言葉を重ねる必要はあり〜ません。【C-11】のリ プライを参照してください。
【C-36】こんな仕事もあるんだなあと思いました。私はあまりこういう仕事に就こうと思いませんが、このように他の民族のことを考えて病 気や怪我をしていたら、お互い助け合うのは必要だと思います。このようなことがあるから日本は、他国といっぱい仲良くなれるのだろうなと思いました。人間 はやっぱり協力し合って他の国の人や民族などと一緒に生きていくのだろうかと思いました。あと、自分が今しないといけないこと、夢、進路の想定、準備をし ていこうと思いました。私もこの先生(たぶん池田のこと)みたいにいろいろな人のためのなる仕事に就こうと思います。世界がもっと仲良くなれたらいいと思 いました。
【R】君の質問は【C-35】と一見似ているようじゃが、微妙に違うようじゃ。その違いがわ かるかな。そういう観点から人の質問とそれに対する答えを検討するのも、文化人類学の修行のひとつじゃ。ま、他のギャラリーの皆さんも含めて、最後まで読 んでくれてどうもありがとう!——これを全部手入力するのも根性がいるのであ〜る!
フランク・ザッパ(Frank Zappa, 1940-1993)のノリノリの音楽を聴いてお別れじゃ〜♪