リスクファクター
危険因子、risk factor
解説:池田光穂
リスクファクターとは、ある特定の疾病(disease)に寄与する危険な要素のことである。危険な要素には、例えば、化学物質[例:ダイオキ シン]から行動特性[例:喫煙習慣]ま であらゆるものが入る。リスクファクターの解析における専門用語ではそれらの危険な要素に人々が「曝露」されると表現する。
リスクファクターは、疾病の直接の原因ではなく、疾病になった人の集団を解析したデータから事後的に、確率における有為性を導き出されたもので ある。したがって現時点で健常者がある種のリスクファクターと関わる(例:化学物質を扱う、喫煙習慣がある)からといって、その疾患に確実に罹るというこ とを予言するものではない。
1948年のアメリカ合州国ボストンではじまったフラミンガム・心臓[疾患]研究(Framingham Heart Study, FHS)ではじめて使われた用語。フラミンガム研究では、前向きコホートと呼ばれる、ある集団を時系列で追いかけた研究が有名であるが、子どもと配偶者を 追跡するオフスプリング研究、特定の集団(少数民族)を追跡するオムニ研究などがあり、現在では心臓疾患研究だけにとどまらない。
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文献
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