難民
refugee, refugiado/-da
解説:池田光穂
難民とは、人種、宗教、国籍、政治的見解、経済、ならびに特定の集団への帰属という理由により、迫害の恐怖を逃れて、もともと帰属した国家を離 れた後に、帰還できない人たち、あるいは帰還しようとしない人たちのことをさす。
国際社会における難民の規定は、「難民の地位に関する条約」(1951年)および「難民の地位に関する議定書」(1967年)に準拠する。
国家や国民相互間による構造的暴力である戦争や迫害を逃れた人たち、は政治難民と言われ、またしばしば公的難民と言われる。
それに対して、内戦や迫害に見まわれ国内に留まっている人たちを、国内難民(国内流民)と言われるが、こちらは統計に現れにくい特徴をもつ。
さらに、経済難民は、難民を認定する際の公的な理由になりにくいが、政治的理由により人たちの生存が確保されないことはしばしば見られるわけで あるから、実質的に人びとの難民化の要因を構成する一つになることは明らかである。
経済とならんで、干ばつやダム開発などにより、人びとがくらす生態学的要因の変化により、人びとの生存が確保することが難しくなり、国内難民化 あるいは、国境を越えた難民化もある。このような要因による難民は「環境難民」とも呼ぶべきものであるが、過去20年におよぶ議論があっても、いまだコン センサスが得られているわけではない。
御所の生活――ベトナム難民日本語学校 |
なごやかな授業……など、(奈良県)『御所の生活』カリタスジャパンベトナム難民センター編 |
『御所の生活』カリタスジャパン | ベトナムから日本へ:グェン・ティン・フンさんの作文 |
※画像は菊池暁氏による(2020年)
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