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忘れる人のための国際関係論:06 戦争および軍事紛争

Introduction to Studies of International Relations 06: War and Armed Conflict


池田光穂

戦争( war, guerra)

冷戦

軍縮

地域紛争

民族紛争・政治紛争

▲▲▲▲ボスニア紛争(1992-95)、セルビア・モンテネグロ

コソボ問題

チェチェン紛争

北アイルランド紛争

バスク民族問題

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クルド自治問題

インド・パキスタン紛争

スリランカ民族紛争

東ティモール紛争

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コートジボアール内戦(1999-)

スーダン内戦(1983-)

ナイジェリア民族紛争

ダルフール問題(2003-)

ソマリア内戦(1991-)

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グアテマラ内戦(1960-96)

コロンビア革命軍(FARC, 1966-)、麻薬カルテル戦争(1989)、右翼自警軍連合(AUC)問題

特別附録:小室直樹『ソビエト帝国の崩壊 瀕死のクマが世界であがく』光文社、2022年

★本書『ソビエト帝国の崩壊』は、奇蹟の書物である。 人気の新書レーベル「カッパ・ビジネス」の一冊として書店に平積みになったのは、一九八○年八月のこと。当時まだ、ソビエト連邦は健在だった。わずか一○ 年のうちに冷戦が終わり、社会主義圏の国々が将棋倒しのようにあっけなく崩れていくとは、誰も想像すらできなかった。ただひとり、小室直樹博士を除いて は。(解説より)

★1980年8月、本書は小室直樹氏のデビュー作として刊行され、40万部超のベストセラーとなった。小室氏は一躍時代の寵児となり、様々なメ ディアで言論活動を行うようになる。91年、予言通りにソ連は崩壊する。なぜ小室氏だけにこのような分析が可能だったのか? 予言の背後にある理論はどういうものだったのか? 今でも色あせない学問的価値を持つ名著を復刊。伝説の「小室ゼミ」出身である橋爪大三郎氏推薦・解説。

★【目次】 ★まえがき

★1 ソビエトの内部崩壊がはじまった

・1 ソ連社会はロシア革命直前とそっくりだ/ /「階級のない国、ソ連」という幻想 /威信なき富は、社会的に無である /勢力は、それ自体、大きな欲望である /世界一優雅な生活をしているソ連の特権階級 /出世の早道は、科学者、技師、新聞記者、共産党員 /ソ連の特権階級は「世襲」される /公認されない特権階級がもたらすのは何か /日本に汚職が多い原因は、一高と東大の差にある /現在のソ連社会は、革命前にそっくりである

・2 ソ連的経営には致命的欠陥がある /ソ連経済は乗車拒否のタクシー /「すべて貨幣は商品に恋する」ソ連経済 /技術革新をはばむ目方ノルマ制 /倒産なき社会の恐るべき非能率

・3 中世的意識のままのソ連労働者 /産業社会の労働には、二つの要素がなくてはならない /生産性が倍になると、半分しか働かなくなる人びと /働くことが尊敬されない社会の労働者たち

・4 農奴意識から脱けきれないソ連農民 /例外的に成功した私営農場の意味するもの /ファーマーよりペザントに近いソ連農民

・5 マルクス主義はユダヤ教 /マルクス主義が革命思想でなくなったときソ連が滅ぶ /唯物論は宗教ではないというのは日本人だけの誤解 /マルクス主義はユダヤ教とそっくりである /まったく正反対の日本の歴史観とソ連の歴史観 /マルクス、レーニンはユダヤ教の預言者である ・6 ソ連式マルクス主義は神政政治である /ソ連は東ローマ帝国の末裔である /ソ連の権力は、人間の内面にまではいっている /ソルジェニーツィン、サハロフが要求するものは何か /ソ連の亡命者が意味するもの ・7 ソ連の内部崩壊はもう止められない /スターリン批判が命とりになった /ソ連にスターリンは絶対必要だった /ソ連の崩壊は遠いことではない

★2 ソビエト軍は見せかけほど恐くない /

・1 ソ連軍を「張り子の熊」にした組織の論理 /ソ連軍は巨大な国鉄である /ソ連軍は国家の要請を無視して行動している /ソ連にも立派な死の商人がいる /ソ連と日本の〝富〟は、貨幣ではなく、市場占有率である /組織の恐ろしさは、各人の意識を変える点にある /世界最強のソ連陸軍はなぜ敗北したか /労働者あがりの将軍では、本物の武将にかなわない /無敵の関東軍を破ったドイツじこみのソ連将軍 /ソ連のなかの「ドイツ」を恐れたスターリン /

・2 みずからの弱さを知ったソ連軍が危ない /国は滅んでも軍事産業は守らねばならない /ルーズベルトとチャーチルがいなかったらソ連は消滅していた /最後の望み、T34戦車を守った三つの「もし」 /日本軍は北上しないというゾルゲ情報がソ連を救った /ソ連人は第二次大戦から何を学んだか /旧約聖書の二匹の怪獣、リヴァイアサンとビヒモス /貧乏を追放できなかった共産党の弱み /臆病なソ連が、先に一流国を攻めることはない /ソ連には、中国・日本コンプレックスがある /弱いソ連と官僚の独走がかさなると危ない

★3 日本を滅ぼす「平和・中立」の虚構 /

国家の行動原理には二つのものがある /アフガン事件の責任はアメリカにある /先制降伏をとなえる日本の防衛論の低次元ぶり /一億総木っ端役人化現象が日本をあやまらせる /外交当局や政府が壊滅したときの用意が必要だ /天皇、総理、国会の連絡がとだえると、日本は国家でなくなる /自衛隊が「警察」によってコントロールされているのは問題だ /外務省は首相から独立している必要がある /日本人だけが知らない戦闘のルール /戦時法規を知らないと、「戦闘をしないこと」もできない /テルアビブ空港事件でみせた日本政府の無知 /アメリカを無条件に日本の味方と考えるのは危険 /日本がこれ以上強くなると、アメリカが黙っていない /「非武装中立」なんてありえない /中立政策はフィンランドに学べ /今もはびこる「念力主義」 /戦争こそ、もっとも合理的な国際問題の解決法 /主要参考文献

★解説 橋爪大三郎

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