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Subjectivity and Quality of your Pain

池田光穂

■痛みの主観性と質感

「その痛みは意識のうえで経験されるかぎりにおいて存在する。したがって、それはある意味でまったく「主観的」であって「客観的」ではない。さらに、その 痛みには質的な感じがともなっている。意識のうえの痛みは、少なくとも主観性と質感という２つの特徴をそなえている」（サール　2006:16）

■他方「客観的」と表現される痛みの分類は以下のごとくである（→「痛みの文化人類学」）。

ＷＨＯは痛みを次の３つに分類する。

• １．侵害受容性疼痛（しんがいじゅようせいとうつう）：外傷、骨折、うちみ、火傷（やけど）など、ごく一般に日常経験する痛みのこと。文字通り、なにかの傷害をうけたゆえの痛みである。
• ２．神経因性疼痛（しんけいいんせいとうつう）：帯 状疱疹（たいじょうほうしん）にかかった後に出てくる帯状疱疹後神経痛、糖尿病性疼痛（とうにょうびょうせいとうつう）、四肢を切断した 後で既に存在しない手足の部分の痛みを感じる幻肢痛（げんしつう）、カウザルギー（灼熱痛：しゃくねつつう）、抜歯（ばっし）後におこるいたみ幻歯痛（げ んしつう）などで、（末梢あるいは中枢の）神経が原因でおこると考えられている痛みである。
• ３．がん性疼痛（がんせいとうつう）：無秩序に増殖 すると言われている「がん細胞」がまわりの正常な細胞からできた部分（これを「組織」という）に侵入するときに（正常な反応で はないので）炎症を起こし痛みがある。炎症を引き起こす組織が、神経細胞であれば、上述の神経因性疼痛が加わり、痛みの性質が変化する。
  

●痛みの認知的介入

Nisbett, Richard E. Schachter, Stanley(1966) The cognitive manipulation of pain.Journal of Experimental Social Psychology, 2(3), 227-236. (http://dx.doi.org/10.1016/0022-1031(66)90081-3)

"The experiment tests the notion that naturally occurring states of physiological arousal are manipulable in the same way that drug-induced arousal states have proven to be. The state of arousal studied is that produced by pain from electric shock. All Ss were given a placebo before the shock experience and ½ were told that the side effects would cause arousal symptoms such as palpitation, tremor, etc. The other ½ expected no such symptoms. Ss believing themselves to be in an artificial state of arousal failed to attribute their shock-created arousal to the shock, and found the shock less painful and were willing to tolerate more of it. This relabeling of a naturally occurring state was shown to occur only for Ss in a relatively low state of fear. (PsycINFO Database Record (c) 2017 APA, all rights reserved)"

リンク

• ︎痛みの文化人類学▶︎感覚経験の人類学▶北森 嘉蔵︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎︎▶︎▶︎
  

文献

その他の情報

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