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命題的思考とコミュニケーション

Propositional thinking and human communication

池田光穂

「すべての命題的思考は、積極的なものであれ懐疑的 なものであれ、また内的なものであれ外的なものであれ、客観的な真理というものも概念をもつことなしには成り立たないが、そのような概念をもつことができ るの は、当人とコミュニケーションをとることができる生物である。それゆえ、第二人称の知識——他人の心に関する知識——は、他のすべての知識にとって不可欠 である。しかし、第二人称の知識は共有された時間と空間の中にある共有された対象世界に関する知識なしには不可欠である。それゆえ、知識の獲得は主観的な ものから客観的なものへの前進にもとづくものではない。それは全体論的に出現するのであり、最初から複数の人称にかかわっている (interpersonal)」(訳書、p.11)

これは、ドナルド・デイビッドソン[ディヴィドソ ン] (Donald Herbert Davidson, 1917-2003)による自分の論文「認識の外部化」の紹介の部分である。

ちなみに、命題とは、平叙文(〜は〜である)であら わせるもの、あるいはその中味である。命題は英語の proposition の翻訳で、この語の第一義の意味は"The action of setting forth or presenting to view or perception; presentation, exhibition."(OED)と説明されている。

「自分の心の内容についての知識は他の知識の基盤で はありえないのである」(p.302)

「経験的信念の全体論的性格」(p.303)

「広く受容されている見方によれば、ある人の命題的 態度の内容は、当人の関知しないこともあ
りうる要因によって部分的に決定されている、とするのが外部主義で あり、これは第一人称の権威とは調停不可能であるという」(p.307)

社会的外部主義をデイビッドソンが承服できない理由 (3つ)の一つはこうである:「ある者の話と思考を、他の者たちが同じことばで意味するところによって理解し解釈すべきだとすることを、われわれの直感が 強く支持している」のは偽である。なぜなら「どの集団が規範を決定しているとすべきかの判定が問題」となり、また「われわれが話し手を最もよく理解するの は、彼がそう解釈されることを意図しているような仕方で、われわれが解釈を行うとき」であるからだ(p.308)。

「ある生物が別の生物を観察するということがなけれ ば、しかるべき対象を公共空間に位置づける三角測量は 成立しえないのである」(p.313)。

■ディヴィドソンの三角測量 (triangulation)について

「思考と言語の必要条件をなすと私に思われる前言語 的で前認識的な状況、すなわち、思考から独立に存在しうる、またそれゆえ思考に先立ちうる状態がある。それは、人間以外の動物の場合にも小さな子どもの場 合にも、その成立を観察できる状態である。その基本的状況では、二個かそれ以上の生物個体が、自分たちの相互作用と彼らが共有する世界との相互作用を同時 に行う。私はこれを三角測量と呼んでいる。それは三重の相互作用の結果だが、この相互作用は、二個の行動主体それぞれから見れば二重である。すなわち、行 動主体はそれぞれ、世界と、そして別の行動主体と、同時に相互作用している。やや言い方を変えるなら、それぞれの生物が、他の生物の反応を、自身もそれに 反応する世界内の変化や対象と結びつけることを学ぶ、ということである」(p.207)ただし論文は「思考の出現」である。

「コミュニケーションだけが客観性の概念を提供しう る。なぜなら、客観性の概念、共通された世界を占める対象と出来事という概念、その性質と存在がわれわれの思考から独立している対象と出来事という概念を もつためには、思考と世界を自分は他者と共有しているという事実に、われわれが気づいているということが必要だからである」(p.314)。

■一人称の権威、問題

「……第一人称の権威には密接に結びついた2つの特 徴がある。一つは、それが推論や証 拠にもとづかない知識をもたらすという事実であり、もう一つは、自分自身の心の知り方と他人の心の知り方との非対称性である」(p.315)。

それに対するデイビッドソンの応答は、「自分自身の 心のあり方についての知識は個人的 である。だが、その状態を個別化するものが、同時に、その状態を他人にアクセスできるようにする。というのも、その状態は3つの要素——すなわち、思考す る者、彼とコミュニケーションを行う他者、そして彼らの共有のものであることを彼らが知っている客観的世界——の間の因果的相互交渉によって個別化され るからである」(p.315)。

■命題文とは?

「主語と述語等からなる文章」(→「道徳的ジレンマ解消プロトコル」)。命題とは、平叙文(〜は〜であ る)であら わせるもの、あるいはその中味である(→命題)。命題は英語の proposition の翻訳で、この語の第一義の意味は"The action of setting forth or presenting to view or perception; presentation, exhibition."(OED)と説明されている。

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