か ならず読んでください

外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ

Economic Partnership Agreement for introducing foreign health and welfare workers in Japan

池田光穂

「日・ インドネシア経済連携協定(平成20年7月1日発効)に基づき平成20年度から、日・フィリピン経済連携協定(平成20年12月11日発効)に基づき平成 21年度から、日・ベトナム経済連携協定に基づく交換公文(平成24年6月17日発効)に基づき平成26年度から、年度ごとに、外国人看護師・介護福祉士 候補者(以下「外国人候補者」という。)の受入れを実施してきており、累計受入れ人 数は3国併せて4,700人を超えました。(平成29年9月1日時点)/これら3国からの受入れは、看護・介護分野の労働力不足への対応として行うものではなく、相手 国からの強い要望に基づき交渉した結果、経済活動の連携の強化の観点から実施するものです」(厚労省「イ ンドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて」)

アジア太平洋域内と域外への国際移民の流れ()

■ 外 国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ(2016年11月現在)

厚 生労働省の「外国 人介護人材受入れの在り方に関する検討会」が、平成28(2016)年10月28日に「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会報告書〜 EPA介護福祉士の就労範囲に訪問系サービスを追加するに当たっての必要な対応について〜(PDF:305KB)」をまとめた。この会議は、同ホームペー ジの「外国 人介護人材受入れの在り方に関する検討会」によると、2014年 10月30日にはじまり、2年間をかけて都合13回の会合を開催している。その結果(?)が、表紙を含めて僅か12ページ(305KB)――しかし実質的 な報告部分はさらに少なく5ページのみで残り6ページは「参考」とあり開催要項や委員のリスト(下記の画像を参照)ならびに検討会のクロニクルなど――の 最終(?)報告書(0000141301.pdf)である。日本の納税者のひとりとして、き ちんとこの問題が協議されているのか(上掲のページに議事録はあるので今後、市民と専門家による子細な検討が必要である)いささか心配になるようなレベル の内容である。

■ コミュニケーション能力不足を指摘するジャーナリズム

介 護の仕事は、極めてデリケートな対人サービスである。認知症の人や会話が不自由な高齢者のわずかな表情の違い、短い言葉の中から、伝えようとしていること や体調の変化をつかみ取り、医師などに適切につなげていくことが求められる。一つの判断ミスが事故につながり、相手の死に直結しかねないだけに、専門用語 はもとより方言などへの対応も含めた高いコミュニケーション能力が不可欠なのである。/その特殊性がゆえ、経済連携協定(EPA)に基づい て例外的に認め ているインドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国についても、母国で看護師資格などを身につけているような“エリート”を対象としている。しかも、滞在 期間は原則4年。この間に日本語をマスターし、日本の看護師、介護福祉士の国家試験に合格しなければ帰国しなければならない厳しい条件付きである。/3カ 国の“エリート”でさえ苦労しているのに、介護や看護を本格的に勉強したわけではない実習生であれば、介護技能を学ぶためにもなおさら日本語力が必要だろ う。/ところが、厚労省の検討会メンバーには日本語教育の専門家 が1人もいなかった。これでは、実習生にどれぐらいの日本語力を求めるのが適切なのか、知 見に基づいた議論ができるはずもない。/結局、国際交流基金などが実施する「日本語能力試験」(5段階)のうち、介護業界が求めていた上から3番目の 「N3」を受け入れ条件として課すことになったのだが、これですら推進派の横やりを受けて骨抜きになった。/(2015年――引用者)1月23日の会議で 示された中間報告の原案では「日本語能力試験『N3』程度を基本」となっていたが、わずか3日後の1月26日の会議の最終案では「入国時は『基本的な日本 語を理解することができる』水準である『N4』程度を要件として課す。実習2年目(2号)については『N3』程度を2号移行時の要件とする」との文言が加 筆されたのだ」。

「介 護の人材難は仕事の厳しさに比べ賃金水準が低いために起こっている。全産業の平均よりも10万円も安いのだ。まずすべきは処遇の改善だろう。資格を持ちな がら他業種に移らざるを得なかった人々を呼び戻すのが先である。にもかかわらず、低賃金でも働く外国人が大量流入したのでは、日本人職員の賃金が低く据え 置かれることになる。いずれ介護職に就く日本人がいなくなることだろう。/高齢化で介護の需要は伸びる。「安い労働力」に飛びついて大量に受け入れれ ば、 底なしに受け入れ続けざるを得なくなるということだ。それでは外国人抜きに介護現場が回らなくなる危険性と隣り合わせとなる。各国で高齢化が進んでおり、 介護人材は国際的な争奪戦が起こるとの予測もある。外国人に依存しすぎたのでは、彼らが来なくなった途端に日本の介護は大混乱に陥る。/介護は、医療と同 じく人間の尊厳に関わる仕事だ。「国家の基礎」をなす極めて重要な仕事の1つであるともいえよう。過度に外国人に頼ってよいはずがない」。

筆 者は、河合雅司(産経新聞論説委員)、出典『月刊正論』2015年4月号 http://ironna.jp/article/1369?p=1

■ 介護人材は「日本人でなければならない」という言説(承前)

「介 護の人材難は仕事の厳しさに比べ賃金水準が低いために起こっている。全産業の平均よりも10万円も安いのだ。まずすべきは処遇の改善だろう。資格を持ちな がら他業種に移らざるを得なかった人々を呼び戻すのが先である。にもかかわらず、低賃金でも働く外国人が大量流入したのでは、日本人職員の賃金が低く据え 置かれることになる。いずれ介護職に就く日本人がいなくなることだろう。/高齢化で介護の需要は伸びる。「安い労働力」に飛びついて大量に受け入れれ ば、 底なしに受け入れ続けざるを得なくなるということだ。それでは外国人抜きに介護現場が回らなくなる危険性と隣り合わせとなる。各国で高齢化が進んでおり、 介護人材は国際的な争奪戦が起こるとの予測もある。外国人に依存しすぎたのでは、彼らが来なくなった途端に日本の介護は大混乱に陥る。/介護は、医療と同 じく人間の尊厳に関わる仕事だ。「国家の基礎」をなす極めて重要な仕事の1つであるともいえよう。過度に外国人に頼ってよいはずがない」。

筆 者は、河合雅司(産経新聞論説委員)、出典『月刊正論』2015年4月号 http://ironna.jp/article/1369?p=1

■EPA による「外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ」に関する厚生労働省の現状把握と自己分析(平成27(2015)年7月26日の時点)※下線強調は引用 者(池田)

【要 約】
「日・インドネシア経済連携協定(平成20年7月1日発効)に基づき平成20年度から、日・フィリピン経済連携協定(平成20年12月11日発効)に基づ き平成21年度から、日・ベトナム経済連携協定に基づく交換公文(平成24年6月17日発効)に基づき平成26年度から、年度ごとに、外国人看護師・介護 福祉士候補者(以下「外国人候補者」という。)の受入れを実施してきており、これまでに3国併せて累計3,100人が入国してきました。(平成27年度の 入国完了(平成27年7月26日)時点)
 これら3国からの受入れは、看護・介護分野の労働力不足への対 応として行うものではなく、相手国からの強い要望に基づき交渉した結果、経済活動の連携の 強化の観点から実施するものです。……

1. インドネシア、フィリピン及びベトナムからの受入れの概要

一 人でも多く送り出し、日本の国家資格を取得して欲しいとの3国の期待が高い中、経済連携協定全体の円滑な実施のため、日本政府はこれまで、協定上の6ヶ月 間の日本語研修の実施のみならず、受入れの運営について改善を行ってきており、厚生労働省では、受入れ施設における候補者の学習への支援の強化、国家試験 の用語等の見直し、再チャレンジ支援、介護職員の配置基準の見直しなどを実施してきています。
 3国からの受入れの概要は次の通りです。
1 経済連携協定に基づく受入れは、外国人の就労が認められていない分野において、二国間の協定に基づき公的な枠組みで特例的に行うものです。公正かつ中 立にあっせんを行うとともに適正な受入れを実施する観点から、我が国においては国際厚生事業団(JICWELS)が唯一の受入れ調整機関として位置づけら れ、これ以外の職業紹介事業者や労働者派遣事業者に外国人候補者のあっせんを依頼することはできません。
2 国内労働市場への影響を考慮して、年度ごとの受入れに際して、外国人候補者の年間の受入れ最大人数を設定してきています。
3 経済連携協定に基づき国家資格を取得することを目的とした就労を行う外国人候補者は、受入れ施設で就労しながら国家試験の合格を目指した研修に従事し ます。外国人候補者と受入れ機関との契約は雇用契約であり、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を支払う必要があるほか、日本の労働関係法 令や社会・労働保険が適用されます。
4 経済連携協定に基づく外国人候補者は、看護師・介護福祉士の国家資格を取得することを目的として、協定で認められる滞在の間(看護3年間、介護4年 間)に就労・研修することになっています。
5 資格取得後は、看護師・介護福祉士として滞在・就労が可能です(在留期間の更新回数に制限無し)。

経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ概 要[599KB] ※有益な情報だがpdfで提供されている。

2. 受入れ枠組みの趣旨(受入れ希望機関の方などへ)

こ の受入れ枠組みは、外国人の就労が認められていない分野で、候補者本人が国家資格の取得を目指すことを要件の1つとして、研修など一定の要件を満たす病院 や介護施設での就労を特例的に認めるものであり、一人でも多くの外国人候補者が看護師や介護福祉士の国家試験に合格し、その後、継続して日本に滞在するこ とが期待されています。そして、この受入れ枠組みは、単なる単純労働者を雇用するためのものではありません。国としては専門的・技術的分野の外国人労働者 の就業を積極的に推進する一方、いわゆる単純労働者の受入れなど、外国人労働者の受入れ範囲の拡大は、国内労働力、特に若者、女性、高齢者等の雇用など、 労働市場への影響などを考慮する必要があります。また、医療・介護サービスの安全性の確保・質の向上には、日本の国家資格の取得は必要・重要です。

 そのため、候補者が資格取得に必要な知識・技術の修得に精励するのはもちろん、受入れ機関(施設)は国家資格の取得を目標とした適切な研修を実施するこ とが責務とされており、国としても受入れ機関(施設)での円滑な就労・研修を支援する各種取組を進めています。

 それぞれの受入れ機関(施設)の受入れの目的は、「国際貢献・国際交流のため」、「職場活性化のため」、「将来の外国人受入れのテストケースとして」な ど様々と思いますが、こうした受入れの枠組みの趣旨をご理解いただき、国家資格取得前は受入れ施設において、国家資格の取得を目標とした国家試験対策、日 本語学習等の適切な研修を実施することが何よりも重要です。

 なお、実際に外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れを希望される場合のご相談は、国内唯一の受入れ調整機関である国際厚生事業団(JICWELS。関 連リンク参照。)までお問い合わせください」。

■ 厚生労働省内における所轄部署

厚 生労働省(代表)03-5253-1111
・あっせんの仕組み、受入れ最大人数、雇用管理その他全般、職業安定局派遣・有期労働対策部、外国人雇用対策課経済連携協定受入対策室(内線 5686)
・看護師国家試験、国家資格取得に向けた就労・研修、医政局看護課(内線 4166)
・介護福祉士国家試験、国家資格取得に向けた就労・研修、社会・援護局福祉基盤課(内線 2844 / 2867)」

以 上の情報は、http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/other22/index.html

■ 公益法人・国際厚生事業団(JICWELS):EPA外国人看護師・介護福祉士受入れのあらまし

平成29年度版パンフレット(現時点=2017年3月10日現在 では白紙)

■ 外国人看護師の現状が、あまりにも悲惨!これじゃ帰国するってばよ(看護師の悩み・転職まとめのブログ)2016年10月17日投稿

http://nurse-matome.hateblo.jp/entry/2016/10/17/165759

■ 一般財団法人・自治体国際化協会「多文化共生ポータルサイト」:ともに老後を支え合う:外国人と介護をめぐる課題

外 国人看護師・介護士候補生の受入:http://www.clair.or.jp/tabunka/portal/retire/care_nurse.html

■ (関連参考情報)

◎ 外 国人技能実習制度(→ウィキ「技能実習制度」と比較せよ!)

「技 能実習制度は、最長3年の期間において、技能実習生が雇用関係の下、日本の産業・職業上の技能等の修得・習熟をすることを内容とするものです。受け入 れる方式は、企業単独型と団体監理型に大別(以下2)されます。/団体監理型の場合(注)、技能実習生は入国後に講習(日本語教育、技能実習生の法的保護 に必要な講義など)を受けた後、実習実施機関との雇用関係の下で、実践的な技能等の修得を図ります。技能修得の成果が一定水準以上に達していると認められ るなどして「技能実習2号」への変更許可(以下3)を受けることにより、最長3年間の技能実習が行えます。/(注)企業単独型の場合も、講習の実施が必要 ですが、実施時期については異なります」――出典:外国人技能実習制度のあらまし(国際研修協力機構:JITCO)。

http://www.jitco.or.jp/system/seido_enkakuhaikei.html

◎ 技 能実習制度

「技 能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図 り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。/技能実習制度は、外国人が出入国管理及び難民認定法別表第1の2の 表の「技能実習」の在留資格をもって日本に在留し、技能等を修得する制度で、平成5年に創設されました」――出典:厚生労働省。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/shokugyounouryoku/global_cooperation/gaikoku/

「技 能実習制度の見直しに関する法務省・厚生労働省合同有識者懇談会」報告書――法務省入国管理局・厚生労働省職業能力開発局(平成27(2015)年1 月30日)(pdfで提供されている)

外 国人技能実習制度への警鐘(弁護士・指宿昭一氏)「外国人技能実習生を使い捨てにするな!:最低賃金以下で働く人々の実態」http://imidas.jp/opinion/F-40-149-17-07-G680.html

「手 数料として高額の費用を支払わされており、先のミャンマー人女性の場合は、80万円を支払っていました。ミャンマーでの平均年収が12万円くらいと言われ ているので、どれだけ高額かが理解できるでしょう。送り出し団体は送り出し国の認定を受けることになっていますが、その監理は相手国任せです。未承認の団 体やブローカーが暗躍していることもあり、技能実習生はここで搾取されるのです。/また、日本では受け入れ会社が技能実習生を受け入れるためには、監理団 体に一人当たり約3万〜5万円/月を支払う必要があります。その費用負担は実際には技能実習生に転嫁され、技能実習生の低賃金を必然化します。また、劣悪 な居住空間に高額な家賃を請求されている人もいます。も う一つは、技能実習期間の3年間は職場を変えることができないという問題です。技能実習生は、来日後、職場環境や仕事の内容に不満があっても、この期間は 我慢して働かなくてはなりません。求人求職のマッチングに不備があるシステムを使用しながら、技能実習生の職場移動の自由を縛っているのです。日本にお金を稼ぎたいために来日 したのに奴隷のように使われ、逃げれば送り出し団体から裁判を起こされ、途中で帰国したいと申し出れば契約違反とみなされ違約金を請求される。これが国際 貢献制度と言えるでしょうか。」http://imidas.jp/opinion/F-40-149-17-07-G680.html

「私(=指 宿昭一氏) は外国人技能実習制度には反対ですし、介護職種への拡大も反対です。外国人労働者を使い捨ての労働力として受け入れるのではなく、職場や地域社会できちん と生きていけるような受け入れ体制をつくるべきです。いまは3年、今後は最長で5年という限定つきですが、ある程度の技術を身につけたら別の在留資格を適 用して残れる道をつくる、家族も呼べるようにするなどの対応も必要でしょう。最 近では就労目的の出稼ぎ留学生も急増しています。彼らの多くも技能実習生と同様、高い仲介料を支払わされたり、低賃金で長時間働かされています。外国人労 働者が増えると日本人の雇用が奪われると反発する人もいますが、日本人労働者を確保しきれない産業があることも現実です。日本はいま、外国人労働者受け入 れ制度の早急な見直しを迫られているのです。今後も問題提起を続けていきたいと思います。」http://imidas.jp/opinion/F-40-149-17-07-G680_2.html

◎ リーマン・ショック(Bankruptcy of Lehman Brothers

「リー マン・ショックは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻(Bankruptcy of Lehman Brothers)したことに端を発して、続発的に世界的金融危機が発生した事象を総括的によぶ。」日本語ウィキペディア「リーマン・ショック」)

"Financial services firm Lehman Brothers filed for Chapter 11 bankruptcy protection on September 15, 2008. The filing remains the largest bankruptcy filing in U.S. history, with Lehman holding over $600 billion in assets" - "Lehman folds with record $613 billion debt". Marketwatch. 2008-09-15

◎ 業界関連団体・友好慈善団体リスト

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