医療人類学の学習チェックポイント
講師:垂水源之介(池田光穂)
さて、ここまで皆さんは、医療人類学プロジェクト(MAP-J)やさまざまな教科書やインターネットリソースを通して、医療人類学について お勉強してこられたと思います。文化人類学や医科学の発展と不可欠な医療人類学についてのアウトラインについて(曲がりなりに)理解されてこられた皆さん の努力に敬意を表します。
ここからは、新しいステップに入りたいと思います。
ここからのステップはある意味で、あなたが勉強を行う動機の真価が試されます。よおく考えみましょう。しかし、医療人類学を勉強し続けるた めには、この作業は不可欠です。医療人類学のRite of Passage(通過儀礼)と言っても過言ではありません。
それは、あなたなりの医療人類学を構築することです。
以下に述べられている5つの命題は、あなたのこれまでの師匠で ある垂水源之介の主張や主義であって、あなた自身の独自のものではありません。
あなたは、これらの一連の命題に従ってもよろしいし、反抗してもよろしいし、また、無視してもよろしい。
しかしながら、あなたは、そのような自分自身の決定(服従・反抗・無視)をなぜおこなったかのについて自覚的でなくては、なりません。
このようなプロセスが、あなた自身の医療人類学を作り上げてゆくものです。
命題1
医療人類学を学べば<人間主義的医療>あるいは<全人的医療>ができるというのは、この 学問に対する根本的な誤解である。
命題2
医療人類学は、癒しや人間解放に奉仕したり、その詐欺的実践行為を正当化する論理ではな い。
命題3
医療人類学は、近代医療の周辺に生成した極めて西洋近代的学問である。したがって、医療 人類学が近代医療批判するという行為実践は、極めて矛盾に満ちたものになる。
命題4
医療人類学の理念は、その矛盾した批判精神の中にある。
命題5
民族医学的知識の線形的知識の集積が医療人類学に革命をもたらしたのではない。
これらの一連の命題には、その主張の根拠となるヒントのリンクを張ってあるものがあります。それを参考にしたい人は、ここで【リンク】してその場所に移ります。
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まとめ:医療人類学の濫用と誤用について
命題1
医療人類学を学べば<人間主義的医療>あるいは<全人的医療>ができるというのは、この学問に対する根本的な誤解である。
命題2
医療人類学は、癒しや人間解放に奉仕したり、その詐欺的実 践行為を正当化する論理ではない。
命題3
医療人類学は、近代医療の周辺に生成した極 めて西洋近代的学問である。したがって、医療人類学が近代医療批判するという行為実践は、極めて矛盾に満ちたものになる。
命題4
医療人類学の理念は、その矛盾した批判精神の中にあ る。
命題5
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