篠田謙一『日本人になった祖先たち』ノート
Analysis on the Docter Shinida's
book entitled as "Ancestors who became Japanese," 2011.
【書籍紹介文】「近年、DNAを分析する技術が飛躍 的に発展し、古人骨の遺伝子から直接、祖先をたどれるようになった。私たち日本列島に住む人間は、どこからやってきたのか?「縄文人が先住する日本列島 に、稲作技術をもつ弥生人が渡来して混血し、日本人が誕生した」という定説は正しいのか?朝鮮半島、中国、南方の人々とはどうつながっているのか?本書は これらの問いに、最新の解析手法を駆使して答える。2007年刊行以来異例のロングセラーとなっていた旧版に、その後明らかになった事実を盛り込んで刷新 する大改訂版!(2011)」https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB27914959.
章立て
第1章 遺伝子から私たちのルーツを探る
第2章 アフリカから世界へ—DNAが描く新人の拡散
第3章 DNAが描く人類拡散のシナリオ
第4章 アジアへの展開
第5章 現代日本人の持つDNA
第6章 日本人になった祖先たち
第7章 南北の日本列島集団の成り立ち
第8章 DNAが語る私たちの歴史
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はじめに
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わたしたちのルーツを求めて——人類学をの目指すもの |
4 |
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DNAと人類学 |
7 |
・最新の研究を通して、自分たちは、研究に値するDNAハンターなのだという言挙げがなされる(だがそれは本当だろうか?——評者) |
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第1章 遺伝子から私たちのルーツを探る
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遺伝子はどのように受け継がれるか |
17 |
・遺伝子(直接タンパク質を指定しているのは1.5%、何らかの機能を含めて40%しか意味がある配列しかわかっていない) ・ゲノムは、ひとひとりをつくるための遺伝子の総体 |
DNAの変異を利用する個人鑑定 |
20 |
・エピジェネティクスとはDNAの変化によらない遺伝子の発現の制御伝達システム(→正確には「DNAの塩基配列を変えずに細胞が遺伝子の働きを制御する仕組みを研究する学問(研究)」のことである) |
遺伝子からみた「私」 |
22 |
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祖先をさかのぼるということ |
25 |
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DNAで系統をたどる |
26 |
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分子人類学の誕生 |
28 |
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スモール・イズ・ビューティフル |
30 |
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ヒトのミトコンドリアDNA解析の歴史 |
32 |
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父系から息子に受け継がれるY染色体DNA |
35 |
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Y染色体のDNA分析の利点と難点 |
37 |
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核DNAの解析法 |
39 |
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遺伝子の分布からヒトの移動を考える |
42 |
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拡散と移動の諸相 |
47 |
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第2章 アフリカから世界へ—DNAが描く新人の拡散
現生人類は4グループに別れる |
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多くの突然変異を持つアフリカ人 |
54 |
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Y染色体から探る人類の共通祖先 |
56 |
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核ゲノムが語るアフリカ集団 |
58 |
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人類の始まりの姿 |
61 |
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最初にアフリカを旅立った集団 |
63 |
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出アフリカの2つのルート |
66 |
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なぜアフリカなのか |
69 |
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第3章 DNAが描く人類拡散のシナリオ
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拡散の跡を探る |
71 |
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ミトコンドリアDNAハプログループから見た人類の分岐 |
75 |
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歴史を再現することの難しさ |
78 |
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核ゲノムで再現するヨーロッパの歴史 |
80 |
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ヨーロッパにおける狩猟採集民の系統 |
82 |
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ヨーロッパの農耕民 |
84 |
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ヨーロッパ人の遺伝子を一変させた牧畜民の流入 |
86 |
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第4章 アジアへの展開
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南アジアの状況 |
89 |
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古代ゲノム解析が明らかにするインド-ヨロッパ集団の成立 |
94 |
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東アジアと東南アジア——南北に別れる世界 |
95 |
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東南アジアと東アジアの集団の特徴 |
100 |
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中央アジア——シルクロード、北の回廊 |
101 |
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新大陸へ渡った人たち——南北アメリカ |
103 |
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アメリカ先住民はどこから来たのか |
105 |
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ミトコンドリアDNAから考えるアメリカ先住民の由来 |
108 |
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古代アメリカ人のゲノム解説 |
110 |
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ナスカの子供にミイラに宿る遠い旅路 |
111 |
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第5章 現代日本人の持つDNA——※ハプログループの個別解説と集団の「本質化」を試みる重要な章である(評者)
+
日本人の持つミトコンドリアDNA |
113 |
・日本人は政治的カテゴリーであり生物学的カテゴリーではないので、この言挙げは完全にナンセンスなのだが? |
各ハプログループの起源地と拡散の推定 |
115 |
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ハプログループD——東アジア最大集団 |
116 |
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ハプログループB——環太平洋に広がる移住の波 |
120 |
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パプログループM7——日本の基層集団を生む系統 |
124 |
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ハプログループA——東北アジアに展開するマンモスハンターの系譜 |
126 |
・こちらも「マンモスハンターの系譜」と、ご先祖探しを正当化するところが一段と怪しいね。 |
ハプログループG——北方に特化する地域集団 |
127 |
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ハプログループF——東南アジアの最大集団 |
129 |
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ハプログループN9——南北に分かれるそのサブグループ |
131 |
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ハプログループM8a——中原に分布する |
134 |
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ハプログループC——中央アジアの平原に分布を広げる |
135 |
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ハプログループZ——アジアとヨーロッパを結ぶ人々 |
136 |
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日本人のY染色体DNA |
137 |
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日本固有のハプログループ |
141 |
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核ゲノムに現れた現代日本人の地域差 |
142 |
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集団の変遷について |
145 |
【用語集】(「篠田謙一博士の〈研究ために人骨資料が必要〉という修辞の分析」からの再掲)
第6章 日本人になった祖先たち
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日本人起源論の系譜 |
149 |
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二重構造論説の問題点 |
154 |
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古人骨のDNA分析の歴史 |
158 |
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日本の古人骨 |
162 |
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DNAから見た縄文人 |
164 |
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ミトコンドリアDNAが示す縄文人の地域性 |
165 |
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縄文人とは誰なのか |
170 |
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現代人に受け継がれる縄文人のDNA |
171 |
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縄文人のY染色体DNA |
172 |
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縄文人の核ゲノム解析 |
174 |
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多様な弥生人 |
177 |
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弥生人のDNA |
180 |
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縄文人と弥生人の混合のシナリオ |
188 |
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歴史時代の日本人 |
191 |
【用語集】(「篠田謙一博士の〈研究ために人骨資料が必要〉という修辞の分析」からの再掲)
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第7章 南北の日本列島集団の成り立ち
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多民族集団としての日本列島の歴史 |
194 |
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旧石器時代の琉球列島集団 |
197 |
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沖縄の縄文人(貝塚前期)のDNA |
199 |
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弥生時代からグスク時代までの沖縄 |
200 |
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グスク時代のDNA |
203 |
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北海道先住民の成立史 |
207 |
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第8章 DNAが語る私たちの歴史
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国家の歴史を超えて |
213 |
・国家概念うえにおもねった篠田博士の議論なのに「国家の歴史」を超えるというのは奇矯な響がする |
家系とDNAのアナロジー |
216 |
・人類史のなかで、養子や婚外婚を当たり前にしてきており、さらには、略奪や嬰児殺しさらには冥婚など複雑な親族システムをつくりあげているのに、これも社会人類学の研究の歴史を知らないアナクロニスティックな表現である。 |
核ゲノム分析の意味するもの |
218 |
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DNAのネットワークとしての私たちの社会 |
221 |
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これからの社会と私たちのDNA |
223 |
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◎人脈関係者
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