コスタリカ共和国のエコツーリズム
Ecotourism in Costa Rica, Centural America
コスタリカ共和国のエコツーリズム
1990年の同国への外国人訪問者数435,030で、これは前年度比の15.7%の成長。外貨 総収入2億6600万ドルのうちの半額が観光収入にしめる。
中央アメリカ最大の観光立国であるコスタリカ共和国において、エコツーリズムは観光関係者にお いて最も関心が求められている領域のひとつである。
しかしながら、この最大の観光先進国においても、エコツーリズムの概念・哲学・方法などについて は多様な意見が存在している。
コスタリカにおいてこの新しい観光の概念が容易に受け入れられた背景として、それ以前の観光客 (おもに合衆国を中心とする)の受け入れの歴史、自然公園の整備、および70年代以降のエコロジー/生態学概念の受容などがあげられる。それゆえにコスタ リカ国民のあいだに環境保護の用語や概念が(”民俗的用法”において)比較的広範に受け入れられている。また、この国こそがそのような観光を押し進めてゆ くという期待と自負があることも、ごく普通の人々の会話の中からも容易に窺い知ることができる。
にもかかわらず(あるいは、それゆえにこそ)実際のエコツーリズムを支持し、直接かかわってゆく 政府(天然資源省国立公園局)や民間調査機関あるいはNGOなどの機関の関係者のあいだには、エコツーリズムのイメージばかりが先行して、着実な「支持可 能な観光開発」についての具体的なデータが不足したり、それぞれの機関の連絡系統の不備、エコツーリズムにおける総合化に関するコンセンサスの不足などを 異口同音に発している。
例えば国立公園局では、公園利用者の増加(特に外国人観光客)に伴う周囲の環境破壊などについて 懸念を表明すると同時に、実際に最大どの程度の観光客を受け入れることができ得るのか、という環境収容力(carrying capacity)についての具体的なデータを求めている。
またコスタリカの自然保護運動の特徴として、NGO関係の諸機関が国立公園周辺に独自の保護区域 や調査地域を保有しており、それを公開していることである。このようなプロジェクトの代表的なものとしてOTS(Organizacion de Estudios Trpicales/ Organization of Tropical Studies)がある。OTSはこの国において科学的観光(Turismo Cientifico)を推進している。これは、コスタリカの自然環境を”科学的調査に便宜する地域/国”として位置づけ、そこに訪れる科学者、学生、調 査関係者などの招請を誘致するものである。すなわち、受け入れ側はそのような便宜を図ることによって、この国の自然環境に関する知識の蓄積に寄与させると ともに、国際社会における知名度の向上に貢献(”象徴資本の蓄積”?)させようとするのである。
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