環境保護が引き起こす環境変化
保護が引き起こす“環境変化”
エコツーリズムによって“商品化”される自然環境の保全とは、もとの環境をそっくりそのまま保護することを意味するのではない。自然公園の整備だけをみても、管理施設の建設と建設後の職員の配備、観察(観光)経路の整備、場合によっては近隣住民の再定住などが考えられる。
とくに近隣住民への配慮は重要である。なぜなら、エコツーリズムの対象となるような地域の住民の多くは、その地域の自然資源に依存する生業(魚撈・採集・狩猟など)に従事しているからである。そのための代替地の確保、従来の生業あるいは別の就労機会の確保、地域住民そのものへのレクリエーション、教育ニーズへの配慮などは不可欠な条件となる。
保護と観光の利害を一致することがエコツーリズムであるという主張もある。「絶滅に瀕した生物種、熱帯雨林あるいは湿原を保護することを、協力的な戦略によって援助することができたとき、それはエコツーリズムとなる」
(Farrell & Runyan,1991:34)
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