環境科学のなかのアマゾンの位置
Amazon's place in environmental science
環境科学のなかのアマゾンの位置
●生態学におけるアマゾン・熱帯雨林の位置(マッキントッシュ『生態学』)
学問としての生態学の成立は、19世紀の終わりの10年(ヘッケル)[ヘッケル以前は、かりにそのような思想的傾向が見られるにせよpaleo-ecologistと位置づけできる]
生態学の本流は、生物の環境と適応の問題に収斂されてゆくが、傍系とくに狩猟管理と「林業」(ウエストビー,1990:38)のなかに「自然保護」の発想が1930年代に生じてくる。
1890年前後のドイツにおける植物生理・生態学に、(植民地を中心とした)熱帯における生物の適応の問題に興味のある学者たちが登場。その例、ユーゲン・バーミング(Eugen Warming)はブラジルで3年間を過ごす。『植物群落――生態学的植物生理学への寄与』(1895)/ほかにシンパー(Schimper,1898)も同様[バーミング]p.64-65
ただし、植物生態学のその後の発展に熱帯は研究の対象にならなかった。その理由は、その方面の研究のほとんどは、北半球の寒帯および温帯地域でおこなわれた。
実質的に熱帯が取り扱われるようになるのは、ポール・リチャーズ(Paul Richards)『熱帯多雨林』(The
Tropical Rain Forest,1952)の著作を嚆矢として、1960年代中ごろに熱帯生態学の知見が蓄積し出した[この時期はシステム的で大規模的な生態学調査であるIBPが開始される時期でもあった]。
熱帯における花粉研究も1971年に登場。[Vuillemeer,B.S.,1971,Pleistocence changes in the fauna and flora of South America,Science,173:771-80.]
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