資源管理の最大持続収量
資源管理の最大持続収量(Maximum sustained yield, MSY)
沼田編『生態学辞典』(1974)によれば「個体群を減らすことなく収穫できる最大の収量。最大収量 optimum yield ともいう。個体群の生産力は単位時間あたりに取除くことのできる最大維持収量の決め手になる。1年を単位にすれば、年間最大維持収量 maximum annual sustained yield という。」(p.128)
縦軸
年間の増加頭数
| 60%=MSY
| * **
| * : : *
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|* : : : * 横軸
―――――――――――――――――――――――――― 資源量(%)
0 50% 60% 80% 100%
資源保護 |維持管理資源|初期管理資源
← 捕鯨禁止 →|← 捕獲可能 →
川端によると、このグラフにより次のようにMSYを考える。最初10万頭いたクジラが現在6割の最適水準にあり、年間2%の増加率であるとすると、6万頭の2%=1200頭がMSY。実際の捕獲数はその9割つまり、1080頭に留めるという。
ただし、初期資源を推定するのは不可能にちかい。また、クジラの種間競争なども考慮されていない。例えば、シロナガスクジラなどの大型クジラ類が減ったためにミンククジラはその数を増やしたと言われるが、これもその実態が明らかでない。
【出典】
川端裕人『クジラを捕って、考えた』PARCO出版、1995年、p.91
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