生態学と観光
Ecotourism
27-42 Ecotourism
・エコツーリズムは極めて最近にでてきた観光研究の領域である。観光客と自然保護論者の両方 が見るような環境に焦点があてられ、観光形態を保持しながら環境の保護を図る形態とされる。
・絶滅の危機に瀕する種のいる熱帯林や湿原を共同戦略によって保護できるようになるとき、そ れはエコツーリズムと呼ばれる。義理の両親である自然観光(nature tourism)の一構成要素であり、自然と観光を同等のパートナーとみるようなもの(p.34)。Boo(1990)もこの立場にちかい。
・定義には異同があり、自然観光とエコツーリズムを分けるものがある。エコツーリズムをより 排他的に、観光を通して自然を保護ないしは補強することを目的ないしは焦点にしたものと、著者たちは位置づけている(ibid.)。(コメント;エコツー リズムの定義は、行動の理念を表明し、そこに具体的な戦略を盛り込ませるためには、有益な概念装置であると、みなしてよいだろう。)
・エコツーリズム研究には、ケニアのもの(Lusigi,1981; Myers,1974)、カラハリ(Hitchcock nad Bradenburs, 1990)がある。ブリティッシュコロンビアのポートアルベニー(Port Alberni)では保護論者と観光客が協力してダグラス樅の完全伐採を阻止しながら、ログハウスに有用な材を確保しようとしている。ジャマイカでは水田 や泥炭採掘よりも湿原を保存して観光と連携することを決めたさまざまな団体がある(Bacon, 1987)。
・ユカタン半島での研究(Daltabuit and Pi-Sunyer, 1990)。ハイダ族での研究(May, 1990)。パナマ(Johnston,1990)。これらの研究は、観光が利益をもたらす場所では共同戦略がいつも施策だけに終わることはないことを示 している。
・エコツーリズムを健全な生態系を維持するために活気に満ちた現代的戦略としてみる研究者が ある。このような研究者は、WWFなどの路線にそって生物とその多様性を保護することに関心がある。Boo(1990)の研究は先駆的で非常に重要であ る。
【文献】
Farrell, Bryan and Dean Runyan, 1991, Ecology and Tourism, Annals of Tourism Research 18:26-40.
Eco-Tourism,
Exploitation and the Cultural Production of the Natural Environment in
Costa Rica, by Mitzub'ixi Qu'q Ch'ij
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