イルカの知的行動:その記述と解釈
Intelligent behavior of dolphins:
description and interpretation
イルカの知的行動:その記述と解釈
・アリストテレス
「海の動物の中で話題の最も多いのはイルカであって、それらはイルカのおとなしくて馴れやす い性質を示しているが、タラスやカリアやその他の地方での少年に対する愛情や欲情の実例さえあげている。またカリア地方で一頭のイルカが捕らえられて負傷 したとき、イルカの大群が一度にどっと港へおしよせてきて、漁師が捕らえられたイルカを放してやるまで去りやらず、放してやると、みんな一しょに出ていっ たという。また小さいイルカたちには必ず大きなイルカが一頭つきそって守っている。すでに大きなイルカが泳いでいて、死んだイルカが深みへ沈みそうになる と、その下へ泳いで行って、背中にのせて持ち上げているのが見られた。まるで死んだイルカに同情し、他の肉食動物に食われないようにしてやっているようで ある。‥‥」『動物誌』(下)p.113[ベッカー版p.631](紀元前4世紀)
・ベイトソン
「イルカは人間とのつきあいに積極的で、溺れているひとを助け、攻撃されても自分からは攻撃 しないことがよく知られているが、そのことをグレゴリーはこんなふうに解釈していた。多くの哺乳動物は自分と同じ種に属する子供を攻撃しないのだが(人間 もなかりの程度までそうだ)、こうした子供への攻撃を禁じるシグナルが、イルカの場合、人間にも適応されるのだろうと。言いかえれば、人間はイルカにとっ て子供のような存在に映り、子供に接するような態度で人間に接するということだ。」(メアリー・C・ベイトソン『娘の眼から』国文社、1993:300)
【文献】
Farrell, Bryan and Dean Runyan, 1991, Ecology and Tourism, Annals of Tourism Research 18:26-40.
◆ 観光研究・観光人類学データベース・サイトにもお寄りください ね!