(研究テーマ実施計画書, 2020年7月〜2021年5月19日)
1. 研究題目名等
「空気と空間づくり」から考えるイノベーション・キャンパスの実現
2. 研究テーマの概要
2.1 本研究テーマを実施する背景
2020年当初からの新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の世界的蔓延のため世界の大学は遠隔教育あるいはオンライン授業に切り替わった。これまで北米の大学は遠隔教育(distance learning, online education)は流行以前から行われており、日本の大学関係者におけるその導入の騒ぎや混乱は無縁のようである。他方でこの劇的な変化を契機に、日 本の大学教育環境が抜本的に刷新される可能性が俄かに浮上した。
2.2 研究目的
フィージビリティ研究では「空気と空間づくり」から 考えるイノベーション・キャンパスの実現に関する具体的なアイディアを提供した(e.g. Digital Humanities, Hype-Accessibility Campus*)。今般の遠隔教育をめぐる大学環境の劇的な変化に鑑み、これまでの大学における研究と教育の「蛸壺化」(丸山真男)の弊害を列挙し、それ らの相互関連性を明らかにし、ダイキン工業の取り組みを参照しつつ脱却可能性=大学研究教育システムのイノベーション、謂わば「大阪大学の既存のシステム を超克する大学」を構想する。
2.3 研究内容
日本、ヨーロッパ、米国、アジアにおけるHype- Accessibility Campusや遠隔教育に関する実践の比較研究を手掛かりにして、それぞれの国の大学が抱える具体的問題(出席確認、学習効果、実習実験の代替可能性、遠 隔PBLの可否、課題評価、最終評価、単位認定等)に関する調査をし、ルーブリックを作成し、それらの問題解消と、それらの国や地域の比較大学改革論にも とづく「既存大学の解体と新結合のプラン」を考察・提言する。
2.4 最終目標・期待するアウトプット・開発目標値
大学研究教育システムのイノベーションを内破=新結 合として位置付け、大学の研究教育システムの新結合のあり方を提言する。これまでの研究教育のノウハウは大学と企業の間の協業関係において知財として保証 されていた。それらの権利を保全しつつ、大学と社会と企業という三者のエージェントが協奏可能な教育と研究がオープンに行える仮想的な場所(空間)と、そ のリソースの共有化できる社会発展モデルを構想し、ダイキン工業ならびに大阪大学に提言する。
* Hype-Accessibility Campusとは「空気と空間づくり」を単に物理的なキャンパスデザインのみならず人間どおしの具体的なコミュニケーションや、AI技術の成果を生かし未 来の人間と「対話」すら可能にする現実および仮想の学びのUniversity Campus=Human Creation Canvas のことである
3. 実施内容の意義
3.1 どのような新規性・独創性があるか(先行研究・他社状況(特許を含む)との比較を含む)
内破とは、改善がもたらす持続的イノベーションでは なく、破壊的イノベーションを意味する。従来の大学の研究と教育のあり方に対する改善ではなくシステムの破壊と構築(Scrap and build)を提言する。大阪大学を改善するのではなく、内側から(物理的にではなく観念的に)「破壊」する計画である。
3.2 社会へどのような影響を与えうるか
これまでの大阪大学への従来の大学評価基準はベースラインからの成長や効率向上を測るものだが、それを内破するために、社会の大阪大学への見方が根本的に変化するものと思われる。
3.3 ダイキン工業の事業へどのような影響を与えうるかと、製品・サービス(仮説を含む)。
大阪大学を内破する共同研究と提言と大学の動きを観察することで、ダイキン工業もまた企業体として外部の社会環境から改善が求められるだけでなく、内側から変革する意識が芽生える可能性がある。
「コロナとビジネスイノベーション」より
4. 最終目標に向けた研究計画
4.1 最終目標達成に向けた実施内容・解決手段
遠隔教育時代における大学の「研究と開発および教育」(R、D&E)比較調査(e-文献調査)
4.2 実施計画(各年度における実施内容、目標)
【2020年度】 実施内容・目標
以下の研究活動と提案を行う(ウェブページにリンクします)
1)「空気と空間づくり」から考えるイノベーション・キャンパスの実現(ポータル)
3)社会人は「空気」など読まない(正式名称「まともな社会人は「空気」など読まない!! 社畜になるな!!」)
4)はんだいSurvival術(YouTube画像)
予算
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