はじめによんでください

大学そのものが内破しなければならない

Distance education or distance learning, correspondence courses, online education

大学のキャンパスを変えるための12の哲学

命題04:コロナ禍における 大学が真にオープンにな るためには、大学そのものが内破しなければならない

2020年当初からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的蔓延のため世界の大学は遠隔教育あるいはオンライン授業に切り替わった。こ れまで北米の大学は遠隔教育(distance learning, online education)は流行以前から行われており、日本の大学関係者におけるその導入の騒ぎや混乱は無縁のようである。他方でこの劇的な変化を契機に、日 本の大学教育環境が抜本的に刷新する可能性も否定できない。

エコシステム:「ITやインターネットにおいて も、さまざまなネットワークと端末とそれを利用するさまざまな人間のシステムをなしていることがわかる。そのため、生態学理論から用語とインスピレーショ ンを借りて、比喩的にエコシステムと言うようになったのである。エヴァンズとシュマレンジーは『マッチメイカー』朝日新聞社(2018)において、企業間 の連携を促すサービスや物流の場(=プラットフォーム)の外側にあり、積極的/消極的に影響をもたらすビジネス、会社や組織などを含めた環境要因を、まと めてエコシステム(生態系)と読んでいる」。このエコシステムでの問いはこうである;大学がキャンパスをすてて、インターネットだけで「営業」をはじめた 時に、どのような形の大学に「変貌する」か?

日本、ヨーロッパ、米国、アジアにおける遠隔教育 に関する実践の比較研究を手掛かりにして、それぞれの国の大学が抱える具体的問題(出席確認、学習効果、実習実験の代替可能性、遠隔PBL(問題に基づく 学習)の可否、課題評価、最終評価、単位認定等)に関する調査をし、比較表(ルーブリック)を作成し、それらの問題解消と、それらの国や地域の比較大学改 革論を感染爆発後の、大学に実装できるかについて考えてみよう。マーシャル・マクルーハン(M. McLuhan)は、すでに大昔にこう言っている。オートメーションとは情報であり、仕事の世界で課題(ジョブ)を終わらせるだけでなく、学習の世界では 学びの科目そのものを終焉に導く("Automation is information and it not only ends jobs in the world of work, it ends subjects in the world of learning.")。彼が言うことが予言が現在実現したとすれば、ICTは情報供給のオートメーションを達成しただけではなく、それ自体が自律した情 報体そのものになり、マルクスのいう労働の終焉であると同時に、科目に分断された科目課題そのものが終焉し、課題を学際的実装するPBLそのものが学習の 世界=教育の現場での空気になると。

そして、内破できなければ、大学は自ら壊滅(=自壊)すべきである。

詳細情報はこちら!!!

Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1997-2099