新しいマス・コラボレーション
A new mass collaboration: definition
コラボレーション(collaboration)とは、かつては、「良識のあるひと」が集まり、「良識のある会話」を通して、「良識のある行動や実践」をおこなうことだとみなされてきました。つまり、ここでの「良識」は、個人が、自己陶冶を通して身につけてゆくべきものだと理解され ています。
しかしながら、Googleや、他の企業が、コンシューマならぬプロシューマーたちに語りかけるコラボレーションとはもっと異なったかたちのもののようです(タプスコットとウィリアムズ 2013:50)。
その背景にはインターネットを通して、新しいマスコ ラボレーション(new mass collaboration)の機会が登場したからです。マスコラボ レーションとは、各人が個人的にプロジェクトをもちそれぞれ活動をしていることが、ネットワークを経由して集合的な協働行動(collective collaborative action)を誘発させることが可能になったものであると、ここでは定義しておきます。マスコラボレーショ ンは、クラウド・リソース・ サービス(CRS)やソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の存在が不可欠ですが、それらのサービスは当然のことですが、有償のものよりも会員制 限などをしてもなお無償のものがより効率的働くようです。
さて、「良識」の面において、このような状態は、ど
のような事態を引き起こしたのでしょうか?——それは端的に言うと「良識とは、自己
陶冶を通して身につけてゆくべきものでは、もはや、なくなった」ということです。つまり良識概念の相対化がなされるようになったということ
です。
それは、(1)新しい発想を産み出したいと考える意 欲的な人たちが、(2)商品やサービスのパイロットとなるアイディアを産みだし、(3)その気心の知れたグループのメンバーに提案し、(4)商品やサービ スを通して社会のなかの問題解決に結びつけてゆくような実践のかたち、を現在ではコラボレーションと呼びます。つまり、その発想の背景にある「個々人の良 識」もまた、コンセンサスによって形成され、つねにメインテナンスされ更新されるべきものになったということです。つまり、コンセンサスとしての良識が、 コラボレーションに反映されるようになったのです。
新しいコラボレーションの定義における必要不可欠 な、プレイヤー(アクター)と実践について解説します。
(1)活動的なアクターの存在:「新しい発想を産み 出したいと考える意欲的な人たち」
(2)その人個人に帰着するアイディアがある:「商 品やサービスのパイロットとなるアイディア」を産みだすこと
(3)活動的なグループの存在:「気心の知れたグ ループのメンバーに提案」
(4)商品やサービスを通した問題解決:「商品や サービスを通して社会のなかの問題解決に結びつけてゆくような実践」
これらの詳しい活動については、拙著「マクロウィキノミクス・研究・ノート」に詳しく記載しています。
◎クレジット:新しいマス・コラボレーションが起こ
るとき「新しい良識」概念が生まれる。
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