具体的な課題から入る
Find specific evidence for a solution to your own problem
担当:池田光穂
「現代におけるどの重要な問題であれ、それを設定し解明するた めには、二つ以上の学問分野にまたがって、資料や概念や方法を選ぶことが必要である。社会科学者は、自分の関心のある問題を明らかにすべくつかう資料や考 え方に精通するために、「その分野をマスターする」必要はないのである。学問の分類にあわせるのではなく、そのような問題にそくして、専門化が進められな ければならない」(ミルズ 1965:187)。
地域科学科で開講されているほとんどの授 業は、現在あるいは過去におこった現実の社会現象を研究対象にしている。あるいは、それらの具体的な現 象から、現実の社会や人間存在の成り立ちを検討するための理論について学んでいる。
地域科学という学問は、具体的で・現実的 であると言っても過言ではない。
我々は絵空事の空理空論をもてあそんでい るのではない、と言ってもよいだろう。
しかしながら、具体的・現実的であること を論じるため、想像力もまた不可欠である。逆説的だが、豊に空想できない連中に現実の豊かさなどわか りっこないのだ。
なぜ、想像力が不可欠なのか?
それは、われわれが見たり感じたりできる 経験の範囲はきわめて限られている。にもかかわらず、われわれは世界のさまざまな箇所でおこっているこ とを、得られた情報をもとに頭の中で構成する(=想像する)ことを通して、それなりの理解に到達することができるからである。
つまり、地域科学という学問は、具体的な社会現象・人間現象からアプローチする。
具体的な社会現象・人間現象がわれわれの研究対象であるならば、それは何からのかたちで<問題 problematique>とされているはずである。人間は、解決されていない問題につねにとりくもうとしているはずだからである。
したがって、地域科学とは、具体的な問題解決を指向する学問であるといえるのだ。
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