か ならず読んでください

現代のマヤの人口を推定する

Estimar la pubulacio'n del pueblo Maya


解説:池田光穂

【主張】

現在(2004年当時——引用者)のマヤ民族は、メキシコ南部(チアパス州、ラカンドン低地、ユカタン 半島)、ベリーズ、グアテマラ、ホンジュラス(西部)ならびにアメ リカ合衆国の各地に居住しており、およそ800万から1000万の総人口をもつと推計される。

【根拠】

世界のマヤ人の総人口(2004年)を 800万から1000万とした推定の根拠は次のとおりである。

グアテマラ国内人口の推計(アメリカ合衆 国政府公表)1150万人と国外の労働者推計人口117万人(日刊紙『プレンサ・リブレ紙』 2003年9月14日付)の合算の「6割」(根拠は Leopoldo 1997:50)、つまり760万人に、メキシコ国内のマヤ人口94万人——国立先住民研究所による1995年推計統計(INI, Online)ではマヤという統一カテゴリとそれぞれの各言語別人口が混在しており、それらを合算すると210万人になるがその正確な包摂関係が記されて いない——を合算したものが854万人(INI統計を単純集計と考えると970万人)である。

ただし、このカウントにはメキシコ出身の 海外在住のマヤ人が含まれていない。言うまでもなく、マヤ人の人口統計は当事者の民族的帰属意識に よるカウ ントがもっとも「公正」である。しかし、これまでの歴史的統計は「先住民性」を操作的に規定する研究者の推計に他ならないし、国家統計調査では、非マヤの 調査官による判別や“先住民の文化的特質は将来消失しより大きな国民的範疇に包合されるだろう”という反先住民的偏見や先住民への差別意識により、統計上 の人口規模は過小評価され年次を重ねて減少傾向にあるという「事実」が積み重ねられてきた(Leopoldo 1997)。したがって公表される先住民人口統計にはつねに注意が必要である。

Leopoldo, Tzian 1997 Kajlab'aliil Maya'iib' Xuq Mu'siib': Ri Ub'antajiik Iximuleew ( Mayas y Ladinos en Cifras: El caso de Guatemala). Guatemala: Cholsamaj.

リンク

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  • 文献

  • Leopoldo, Tzian 1997 Kajlab'aliil Maya'iib' Xuq Mu'siib': Ri Ub'antajiik Iximuleew ( Mayas y Ladinos en Cifras: El caso de Guatemala). Guatemala: Cholsamaj.
  • 池田光穂(編)2012『コンフリクトと移民----新しい研究の射程』(叢書「コンフリクトの人文学」2)、大阪大学出版会.
  • その他の情報


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