か ならず読んでください

マヤ学入門

Introduction to Maya Culture and Maya studies; → マヤ学入門 2023

解説:池田光穂

左::メキシコ・チアパス州のシナカンタンの若者(George E. Stuart and National Geographic);右:ヤシュチラン遺跡の石彫(Detail of Lintel 26 from Yaxchilan)

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「みなさんはマヤ文明について見たり聞いたりしたこ とがあるでしょう? 映画『スターウォーズ』 (1977)の反乱軍の基地として有名になった熱帯雨林にそびえ立つティカル遺跡のピラミッド、精緻なカレンダーシステム、未だ謎の部分も多いマヤ文字な ど。マヤ文明はエキゾチックな魅力でいっぱいです。しかし他方でグアテマラ高地の先住民族であるマヤ人は、36年にわたる内戦のみならず現在においても虐 殺や政治的抑圧の対象でもあります。この授業では、マヤ民族のうちマム語を話す人びとたちに焦点をあてて、その文化と社会について考えてみたいと思いま す」(「グアテマラのマヤ文化と社会」より)。

現 代のマヤの人口を推定する; 【主張】現在のマヤ民族は、メキシコ南部(チアパス州、ラカンドン低地、ユカタン半島)、ベリーズ、グアテマラ、ホンジュラス(西部)ならびにアメリカ合 衆国の各地に居住しており、およそ800万から1000万の総人口をもつと推計される。【根拠】世界のマヤ人の総人口(2004年)を800万から 1000万とした推定の根拠は次のとおりである。グアテマラ国内人口の推計(アメリカ合衆国政府公表)1150万人と国外の労働者推計人口117万人(日 刊紙『プレンサ・リブレ紙』2003年9月14日付)の合算の「6割」(根拠は Leopoldo 1997:50)、つまり760万人に、メキシコ国内のマヤ人口94万人――国立先住民研究所による1995年推計統計(INI, Online)ではマヤという統一カテゴリとそれぞれの各言語別人口が混在しており、それらを合算すると210万人になるがその正確な包摂関係が記されて いない――を合算したものが854万人(INI統計を単純集計と考えると970万人)である。ただし、このカウントにはメキシコ出身の海外在住のマヤ人が 含まれていない。言うまでもなく、マヤ人の人口統計は当事者の民族的帰属意識によるカウ ントがもっとも「公正」である。しかし、これまでの歴史的統計は「先住民性」を操作的に規定する研究者の推計に他ならないし、国家統計調査では、非マヤの 調査官による判別や“先住民の文化的特質は将来消失しより大きな国民的範疇に包合されるだろう”という反先住民的偏見や先住民への差別意識により、統計上 の人口規模は過小評価され年次を重ねて減少傾向にあるという「事実」が積み重ねられてきた(Leopoldo 1997)。したがって公表される先住民人口統計にはつねに注意が必要である。Leopoldo, Tzian 1997 Kajlab'aliil Maya'iib' Xuq Mu'siib': Ri Ub'antajiik Iximuleew ( Mayas y Ladinos en Cifras: El caso de Guatemala). Guatemala: Cholsamaj.

つづきは、「マヤ学入門 2023」をご覧ください