マルクス主義者たち:人間の活動を生成する二次的な場:「文化」概念の検討
The Marxist's concept and notion on
"Culture"
解説:池田光穂
マルクス主義者の文化 概念は、文化が歴史的、社会的要因のもとで決定されると考える傾向にあ る。文化は階級構造、経済システム、政治組織と密接に関わり、とくに文化の質と規模を決定するのは特定の生産様式としての産業である(→生産様式)。
トロツキーは文化を「人類史を通して蓄積されてきたあらゆる知識と技術の総和であり・・・国家 や階級や・・・歴史上の人物の技術と知識が結合してできたもの」としている。(トロツキー「レーニン主義と図書館仕事」:スウィングウッド『大衆文化の神 話』1982:50より引用)
他方、グラムシによると、文化は「人間の内面生活の組織化された鍛錬の場であり‥‥人格形成場 面であり‥‥超自我を獲得する場でもある。それによって、われわれは自己の歴史的価値・人生において果たすべき役割・権利や義務などを理解できるようにな る」という。(スウィングウッド『大衆文化の神話』1982:54より引用)
「文化は中立的な概念ではなく、歴史的・個別的・イデオロギー的概念である」(スウィングウッ ド,1982:48)『大衆文化の神話』東京創元社
マルクス主義者たちは、(ヴァルター・ ベンヤミンなどを除けば)「上部構造」としての文化を独自 に研究したものではないので——つまり下部構造の関係を重視するので——上掲のように、文化を、人間の活動を生成する、ある種の二次的な場として理解する 傾向がある。
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