かならず読んでくださいue

健康の定義

On definition of health

解説 池田光穂

1946年の世界保健憲章において世界保健機関(WHO)は健康を次のように定義している。

この健康の定義は、我が国の学校教育の中にもしばしば登場し、この定義を保健体育の授業で、ある いは試験のために丸暗記された人も多いはずである。

The Constitution says, “Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity,” in its preface (adopted by the International Health Conference held in New York from 19 June to 22 July 1946, signed on 22 July 1946 by the representatives of 61 States, and entered into force on 7 April 1948) .

このWHO憲章はタイプ版で作成されているので、そのオリジナル部分(英語版)を下記に示してお こう。

CONSTITUTION OF THE WORLD HEALTH ORGANIZATION

世界保健機関(WHO)憲章

この憲法の締約国は、国際連合憲章に従い、次の原則がすべての国民の幸福、調和ある関係および安全の基本であることを宣言する:

健康とは、身体的、精神的及び社会的に完全に幸福な状態をいい、単に疾病又は虚弱でないことをいうのではない。

到達可能な最高水準の健康を享受することは、人種、宗教、政治的信条、経済的、社会的条件の区別なく、すべての人間の基本的権利のひとつである。

すべての国民の健康は、平和と安全の達成の基礎であり、個人と国家の全面的な協力にかかっている。

健康の促進と保護におけるいかなる国家の達成も、万人にとって価値あるものである。

健康の増進と疾病、特に伝染病の管理における各国の不均等な発展は、共通の危険である。

子どもの健康な成長は基本的に重要であり、変化する総合的な環境の中で調和して生きる能力は、そのような成長に不可欠である。

医学的、心理学的、および関連する知識の恩恵をすべての人々に拡大することは、健康の完全な達成に不可欠である。

国民の健康増進には、情報提供された意見と積極的な協力が最も重要である。

政府は国民の健康に対して責任があり、それは適切な保健および社会的措置を提供することによってのみ果たすことができる。


From our article in press (2016).

"In 1978, The Declaration of Alma Ata expressed that the achievement of health and the health rights is the issue to be solved by people themselves. In 1986, the Ottawa Charter for Health Promotion called for urgent action by all the government to protect and promote the health as basic human rights. These were compelling but with positive anticipation. Nonetheless, the public “health demands” by common people are more or less the same as that in 1978 and before, which makes us “wondered.” We can say ironically “these people are starving for health.” This “wonder” is a contrast to the “wonder” felt by Antonovsky when he found the group of people who were healthy after severe condition like as atrocities or extermination camps. Is the ardent desire, “hunger for health,” satisfied by enhancing the SOC? We have no idea about it but we believe that it is worth trying. It is now to start explore in order to make a qualitative turn in health research . The way will be open where the health scientists and the individuals with strong SOC speak to each other."

「1978年、アルマ・アタ宣言は、健康 と健康の権利の達成は、人々自身が解決すべき問題であることを表明した。1986年、オタワ健康促進憲章は、基本的人権としての健康を保護し促進するため に、すべての政府が緊急に行動することを求めた。これらは説得力のあるものであったが、前向きな期待が込められていた。にもかかわらず、庶民の "健康要求 "は1978年以前と多かれ少なかれ同じである。皮肉にも "この人たちは健康に飢えている "と言える。この "不思議さ "は、アントノフスキーが、残虐行為や絶滅収容所のような過酷な状況に置かれてもなお健康である人々を発見したときに感じた "不思議さ "とは対照的である。健康への渇望」という熱烈な欲求は、SOCを高めることで満たされるのだろうか?私たちには見当もつかないが、やってみる価値はある と信じている。健康研究に質的な転換をもたらすために、今こそ探求を始めるべきなのだ。健康科学者とSOCの強い個人が語り合うところに道は開かれる。」

もし、これが、世界の人びとの健康の希求 権、すなわち健康の根拠になっているが、ここで重大な問題につきあたる。

すなわち、「健康というものは、各人が保 有することができる財産なのか?」もし、その健康が、人びとの身体に具有されている何ものかであれば、 それは健康は「動産(movable property)」の一種になる。健康権は所有権の一種になる。

++

「我々は、あらゆる形態及び側面において 貧困と飢餓に終止符を打ち、すべての人間が尊 厳と平等の下に、そして健康な環境の下に、その持てる潜在能力を発揮することができる ことを確保することを決意する」——『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための 2030 アジェダ』2015 年 9 月 25 日第 70 回国連総会で採択(国連文書 A/70/L.1 を基に外務省で作成:仮訳)

リンク

文献

その他の情報

関連リンク


Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

池田蛙  授業蛙  電脳蛙  医人蛙  子供蛙

医療人類学辞典