はじめによんでください
エスノグラフィー(民族誌)の極北:受講者からの評価や要請
このたびは、平成21(2009)年度第一学期の民族誌学/民族誌学特 講「民族誌の極北」を受講していただき誠にありがとうございました。十分に説明がなされない箇所などがあったかと思いますが、授業の運営者として は、真剣に取り組んだつもりです。過日の授業評価(7月14日と21日に実施)の際に、授業運営者に向けたメッセージがありましたので、ここで紹介ししま す。それぞれの評価のあいだでで矛盾点があることは、受取手により相反するものがあり、その処方において、普遍的・一般的な解決法がないものがあることを 示しています。ここで応えられるものについてはお答えし、また将来の授業実施において改良できる点については[できる限り]反映させたいと思いますと思い ます。
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[授業において良かった点]
[改善してほしい点]
[その他]
【池田光穂のリプライ】
概ね、私の授業への取り組みに関する熱意はご理解していただけたと思います。おもしろい傾向は、この点を評価した人には、改善点においてそ れほど不満がなかった点です。ということは、授業に満足した人は、分かりにくいという不満をぶつけにくいという傾向があり、集団としては、エンジョイした 学生とそうでない集団の二層にきっちりと分かれていたのではないでしょうか。ポジティブにもネガティブにも評価してくれた人は、全体の7割ちかくあり、残 りの3割強が無記名でした。これは通常に出てくれた方の割合(最終試験受験者の比率の)とパラレルなので、授業にあまり出てくれない人は、ポジティブにも ネガティブにも反応できなかったということを反映していると思われます(内容を知らないと、評価できないのでしょう)。
改善点は、授業に積極に取り組んだ方たちには「よくわかった」という評価がある一方で、授業に消極的に参加している人たち——とくに「シラ バスの内容が反映されていない」という評は、シラバスとシラバスの改良版を授業で3度配った経緯からするとそのような評価は私にとっては大変不本意です ——は「なぜこの内容で話しているのかわからない」という感想をもつようなので、授業の最初と最後に、この授業の趣旨とまとめの時間をとるべきでした。終 了時間を守れないというご指摘は正しく、私が話したい内容が山のようにあったからです。これは「熱意」として評価されていますが、同時に、より多くの人 に、よりたくさん民族誌学の諸問題について考えていただくことが、この授業の目的ですので、授業担当者としては、内容の情報量を犠牲にしても、より多くの 人に分かりやすい内容に、構成を改善することだと思われます。
私の授業ポリシーは、おたく好きの人にディープな授業をやることにあります(そのためこれまで、朝早くとか、重要な授業の裏の時間帯を狙っ て開講していました)。90名の登録があったのは、教科書販売にとっては慶賀すべきことでしたが、私にとっては不本意な数の多さでした。また、そのような 大講義になれていないのも理由にあげられます。シラバスに書いていた内容は、せいぜい30名程度の想定でした。ということは、通常の授業では20名程度の 参加 の内容でしたので、次回からは来場数(=受講者数)を想定したシラバス記述も課題になりました。
いずれにせよ、最終の授業(「民族誌寓意論」)で私が申し述べた内容が、 もっとも皆さんに伝えたかったメッセージで、試験答案を拝見するに、その趣旨をくみ取っていただいた方が2割(つまり80点以上のシェア)程度はおられま したので、私じしんの授業内容に関する自己評価には満足しています。
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