コピーライトが不明な著作物とどのようにウェブ制作者はつきあうのか?
"This media file had been protected from editing to prevent anti-vandalism," so what?
以下の文章は、中野独人(なかの・ひとり)と呼ばれる著者の『電車男』(2004)の奥付の近くある表示である。この出版社(新潮社)は、2 ちゃんねるのカキコによるこの著作の著作人格権をどのように扱おうか苦労しているようだ。
「中野独人とは、「インターネットの掲示板に集う独身の人たち」という意味の架空の名前です。
この著作権表示は本全体のコピーライトであり、匿名投稿の著作権を一切制限するものではありません。本書の出版権は2ちゃんねるの許諾によ り(株)新潮社が保有しておりますが同様です。2ちゃんねる上における各投稿者の著作権自体は放棄されていませんが、一次著作者の特定及ぴ証明が困難であ ること、ネット上の匿名共有リソースであり、基本的に連絡先不明の投稿であることから、著作隣接権者である2ちゃんねるに許諾を得ることで使用していま す。また、2ちゃんねるでは、クッキーにおいて引用・転載の可能性について予め承諾をとっております。以上により勝手ながら原投稿者の方には、無償転載を ご了承いただきたく存じます。また過去ログを本書に掲載するにあたり、誤字・脱字等趣旨を変えない範囲で編集をした個所がございますが、予めご容赦くださ い」。
[出典]中野独人(=著作権を保有することを保証し難い集合的人格。例)関西人)『電車男』新潮社、2004年
また、フィギュア(→テレビ放映版『電車男』の中で登場する劇中アニメ[→後に独自の作品として放映・DVD化されました]月城ミーナのフィ ギュア)の組み立て説明書の図像のコピーライトも扱いにくい(=どのように理解してよいのか対応に困るような)ものである[画像をリンクすると単独で拡大 します]。
図版解説:
1)フィギュアの取り説(組み立て説明書・取り扱い説明書)にはコピーライトの表記がない。しかし、これは一般的に著作物として考えれる。 しかし、それそのものの芸術としての評価されることは少なく、むしろ技術史的な資料としての意味が強い。言い方を変えると、著作文書よりも法的な文書(例 「ていねいにお取り扱いください」)として扱われ、著作権の意味は背景に後退する。
2)書架を背景にした月城ミーナのフィギュア。この作成時には、まだ人参の巨大トンカチは作成されていなかった。折れた耳の横にある『近代 医学の史的基盤』や『病いの克服』が、『近代医学の詩的基盤』や『萌えの克服』と幻視してしまうのは筆者だけだろうか?
3)トンカチのもった完成版のミーナ。背景横になっているのは、エヴァンズ=プリチャードの名著『アザンデにおける妖術・託宣・魔術』 (ハードバック版)であるが、なぜか背表紙の金文字は『アザンデ[族]の妖術』となっている。
フライング・タチコマん !!!
私はサイボーグ元年10月21日にサイボーグカフェ(→サ イボーグ・ドット・コム)において『攻殻機動隊』のDVDの中から、一話のエピソードを上演しましたが、これは大学内のオレンジショップという「大学の教室」でおこなったために、大学の授業 (実際には課外授業)としての上映にあたり著作権問題に触れることを回避できました。しかし、2010年1月11日(月・祝)に札幌市内の紀伊國屋書店札 幌本店のオープンスペースで〈サイボーグカフェ(札幌怒濤編)〉を開催する際には、その場所が公共の場たるを得ず、DVDの上演にかわる別のオリジナルの 発表に関する挿話(エピソード)を披露しなければなりません。もちろん、このことは当然の配慮で、発表者として不便にも苦痛にも感じません。
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