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『老人Z』をめぐる議論

Talking with Medical Fresh Person Students of Kochi University on "ROJIN-Z"

池田光穂

87歳の寝たきり老人・高沢喜十郎[2]は、 先立った妻・ハルに強い想いを寄せつつ、東京・下町の都電荒川線沿線の古い木造アパートで独り暮らしをしていた。看護学校「芙蓉看護学院」に通う19歳の 三橋晴子は、高沢の介護ボランティアをしていた。高沢は、晴子を認識できる程度には意識があり、わずかに手足を動かす運動能力や、たどたどしいながらもし てほしいことを訴える会話・判断能力も残るものの、ほぼ付きっきりの介護が必要であった。

そのころ厚生省は、高齢化社会により介護老人が増えて介護者や施設が不 足する問題を解決するため、新しい介護のあり方として最新型介護ロボット「Z-001号機」を考案した。計画を主導する厚生官僚の寺田卓は、この「Z- 001号機」により高齢者問題が解決し、介護する側にも介護される老人にとっても、明るい未来が到来すると信じてこれを推進していた。 「Z-001号機」は、身体がすっぽりと収まるベッド型で、全自動の介護が受けられる。具体的には、介護者が寝たまま入浴・食事・排泄処理やリアルタイム での健康診断などが行える。またテレビや電話、パソコンが付属するなど娯楽も兼ね備えており、ウォーキングなどの軽い運動もできる。同機種をネットワーク で接続して友人たちと4人同時にビデオチャットも可能で、暇を持て余すことがないと宣伝された。搭載するコンピュータには「第6世代コンピュータ」を採用 し、内蔵する超小型原子炉を動力とする。

高沢はある日突然、厚生省から「Z-001号機」のモニターに選ばれ、 自宅のアパートから拉致されて「Z-001号機」に寝かされてしまう。介護役としてお役御免となった晴子は、見舞いに行った先でチューブだらけになった高 沢の姿を見てショックを受ける。 しかし、総合商社・西橋商事が厚生省に提供した「Z-001号機」の実態は、表向きは寺田に対しても高性能看護用ロボットと偽っていたが、実は軍事利用の ための試験データを収集するテスト機であった。「助けて……晴子さーん」と叫ぶ高沢の声を聞き、晴子は高沢を救出しようとするが失敗し、実習先の病院で知 り合った入院中の老人ハッカーらに助けを求める。

晴子に頼まれた老人ハッカーらは、「Z-001号機」に搭載された第6 世代コンピュータをハッキングすることに成功。初めは老人ハッカーがコンピュータの声を合成し、そのパソコンに接続したマイクを通して、晴子が高沢ハルに なったつもりで高沢に向かって語りかけていた。しかしやがて「Z-001号機」のコンピュータは高沢喜十郎の想いを読み取り、内部で高沢ハルの人格を作り 出して自我を持つようになる。 自我と意思を持った「Z-001号機」は立ち上がり、直立歩行して動くようになり、高沢とハルが若い頃、二人の子供が幼い頃に遊びに行った思い出の地であ る鎌倉へと向かう。巨大ロボと化した「Z-001号機」は多摩川を越え、神奈川方面へ向かって南下する。機動隊が出動し、東京の街が大混乱に陥る中、寺田 と晴子はヘリコプターに乗り込み「Z-001号機」を追って鎌倉へと向かう。

晴 子に頼まれた老人ハッカーらは、「Z-001号機」に搭載された第6世代コンピュータをハッキングすることに成功。初めは老人ハッカーがコンピュータの声 を合成し、そのパソコンに接続したマイクを通して、晴子が高沢ハルになったつもりで高沢に向かって語りかけていた。しかしやがて「Z-001号機」のコン ピュータは高沢喜十郎の想いを読み取り、内部で高沢ハルの人格を作り出して自我を持つようになる。 自我と意思を持った「Z-001号機」は立ち上がり、直立歩行して動くようになり、高沢とハルが若い頃、二人の子供が幼い頃に遊びに行った思い出の地であ る鎌倉へと向かう。巨大ロボと化した「Z-001号機」は多摩川を越え、神奈川方面へ向かって南下する。機動隊が出動し、東京の街が大混乱に陥る中、寺田 と晴子はヘリコプターに乗り込み「Z-001号機」を追って鎌倉へと向かう。

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