クリフォード・ギアツの文化人類学
(シラバス)
Cultural anthropology of/by Clifford Geertz
解説:池田光穂
授業の目的
フランツ・ボアズに始まるアメリカ文化人類学の知的伝統の「継承者」であり「集大成者」として、ク リフォード・ギアツ(Clifford James Geertz,1926-2006)の著述と、その影響のもとにある著作を読み取ることを通して、「文化」を研究することの社会的意 義、「文化」概念がおかれた歴史的・社会的文脈に関する考察、今なお「文化」概念を検討し続けること学術的可能性について吟味する。
授業の内容
クリフォード・ギアツの次の4冊の本(あるいは収載されている論文)を上述の「授業の目的」にもとづいて読解することを目標にしている。 Peddlers and princes(1963), Agricultural Involution(1963), The Interpretation of Cultures (1973), Local knowledge(1983)。
学習方法
授業全体に4冊の書籍を用いることで、それに割く時間的比重を、次のように考える。Peddlers and princes(1963)15%, Agricultural Involution(1963)30%, The Interpretation of Cultures (1973)40%,Local knowledge(1983)15%、それに基づいて上述の「授業計画」を回数を算出している。ただし、授業の進捗状況に応じて、とりあげる課題書に異 同がある。授業の進行は、授業担当者による講義と、受講生(院生)による抄読発表ーレジュメあるいはパワーポイントによる発表ーと全員を交えた討論という セミナー形式でおこなう。
教科書(それぞれの書名は、各作品の解説ページにジャンプす るように構築する予定です)【現在、建築中】
参考文献
Peddlers and
princes以外の教科書には邦訳がある(ただし品切れや絶版もある)。完備されたギアーツの著作文献には、
HyperGeertzWorldCatalogue(http://hypergeertz.jku.at/)がある。その経歴と業績については、ギ
アツが存命中に書かれたFred
Inglis, Clifford Geertz: Culture Custom and Ethics (Key Contemporary
Thinkers).Polity.2000.がある。またギアツに関しては本学の小泉先生による邦訳が多数あり、それらの解説が役立つ。小泉潤二「ギア
ツの解釈」江淵一公・伊藤亜人編『儀礼と象徴ーー文化人類学的考察』九州大学出版会 pp.27-72,
1983.その他の文献の紹介【→関連文書:パスワードあり】はウェブ
ページでおこない、授業中に指示します。
追加関連文献
キーワード
文化人類学、文化の定義、解釈学、現象学(→フィー
ルドワークの現象学)、
フィールドワーク、宗教研究、
成績評価
出席点と授業に対する貢献(抄読発表→「学習方法」参照、討論への参加)による、総合的に判断します。また、授業の理解度をチェックするた めに、適宜、中間試験をおこなうこともあります。
授業は15回分おこなう。
授業の資料にはパスワードがかけてあります。授業で紹介します。あるいはこのページの著者に照会してください
受講生へのメッセージ
【開講場所に関する情報】 応用人類学特講(211628)の開講時限と開講場所は、吹田キャンパスではなく、豊中キャンパスです。開講時限:月曜6限。開講場所:豊中キャンパス CSCDオレンジショップ
なお、場所がわからない時の緊急の教員の連絡先は:tiocaima7n【あとまーく】me.com です。
【ひとこと】 ギアツ(Geertz)の日本語表記には、ギアーツやゲールツというものがあります。日本語でネット検索する時は、この点も考慮しましょう。本学には小泉 先生(→「参照文献」パスワードがかけてあります)というギアツ研究の碩 学がいらっしゃるので、このような授業タイトルを掲げる私は、大胆で厚顔かナイーブな無知かもしれません。し かしながらセミナーで受講生と討論しながら、疑問の内容を洗練することができれば、日本におけるギアツ理解も、さらに深まるかもしれません。大阪大学なら ではギアツの読解の可能性を切り拓きたいと思います。
リンク(ギアーツ関連)
リンク(授業関連)
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099