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解説:池田光穂
クリフォード・ジェームズ・ギアーツ(Clifford James Geertz, 1926-2006)は、アメリカの文化人類学者、とりわけ解釈人類学(interpretive anthropology)ないしは、解釈学派の人類学者(→ギアーツをひろく象徴人類学派のひとりとして解説する記事があるがそれには適切とは言えな い)。ボアズ派の正統な文化人類学の伝統を継承し、タルコット・パーソンズとクライド・ クラックホーンのそれぞれの影響——前者からは構造機能主義ならび にマックス・ウェーバーの「理解」の概念を、後者からはボアズ経由の「文化」概念の中心にすえ て「文化を意味の体系」としてかつ「行為者」が意味を紡ぎ出すと同時に産出した「意味の編目」に拘束されるという文化概念を軸に——を受けた。パーソンズ の創設したハーバードの社会関係学部(Department of Social Relations)において、インドネシアの政治と文化に関するプロジェクトに関わる。ヒルドレッド・ギアーツとともに1950年代前半に、インドネシ アのジャワ島でフィールドワークに従事する。後に単行本になる『ジャワの宗教』にてハーバード大学で博士号を取得——Religion in Modjukuto: A Study of Ritual Belief In A Complex Society.。スタンフォードでポスドク研究を終えた後は、カリフォルニア大学バークレー、シカゴ大学で教鞭をとる。1970年(48歳)から 1999年(76歳)までプリンストン高等研究所教授。2006年に死去した。ギアーツの著作は複数あるが、もっとも長期にわたり人気があり文化人類学理 論に大きな影響を与えたのは1973年(50歳)『文化の解釈』である。その中での「厚い記述(Thick description)」と(本質主義に関連した)「新時代主義(epochalism)」の2つは彼が紡 ぎ出したことばとして有名。また、その7年後の1980年に出版された『ヌガラ』(57歳)は、バリ宮廷と国 家政治に関する歴史人類学研究として著名で劇場国家(Theater State)という政治概念を提唱した。2006年に亡くなった。