シュミット『政治神学』(1922, 1934)ノート
Politische Theologie by Carl Schmitt
『政治神学』(1922)の百科事典的理解→「C.シュミットの著書。
1922年刊。このなかで彼は,近代国家におけるすべての重要概念は世俗化された神学概念にほかならないと主張し,しかしながら近
代議会制民主主義は,奇跡すなわち例外状況を政治の世界から追放した結果,国家の非常事態たる例外状況の決断を不可能にしたと批判する。そして,神学上の
神概念を世俗化させた主権者,すなわち例外状況における決断者の独裁という観念を持出し,マルクス主義の階級神話に対抗するために民族神話(→フェルキッシュ統治)を独裁の根拠とするところにこの議論の特徴がある。これは,
神学を母体として生み出されてきた近代政治理論が,神学を否定して合理的理論を展開しようとして処理しえなかった政治の非合理的性格を逆手にとった議論で
あるといえる」ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)。
カール・シュミット(Carl Schmitt, 1888-1985)による「政治神学」における「例外状況」論から、主権というものの巨大な法的虚構、ひいては、主権者は法(憲法)を守るため に例外状況のもとで、法を超える権力を発揮するという矛盾した(一説によると「論理的に一貫した」)議論。それを神学概念における超越論的な裁定者を持ち 出すという意味で「政治神学」という ネーミングをもつのだろう。
英訳では、「政治的神学:主権の概念に関する4つの 章」となっている。章立ては以下のとおり。
カール・シュミットはドノソ・コルテス(Juan Donoso Cortés)から多大な影響を受けている。シュミットの著書『政治神学』の終章はドノソ・コルテスに捧げられている。
「……カール・シュミットが唱えた決定主義、すなわ ち法の支配とは、突きつめていけば、自己のなかにのみ根拠をおいて、どのようなものかも見当もつかない底知れぬ暴力行為(暴力的な賦課)によって決定づけ られている、という主張である」(ジジェク 2005:1999)。
シュミットの議論には、循環論ぽいところがある、そ れが冒頭の「主権者は例外状況に判断できるもの」という文言だ。
●例外状態の理論について(→「例外状態」)
★ドノソ・コルテスについて(→「ファン・ドノソ・コルテス」)
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