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動物間における「思い込み」について

Animals including human being are naturally opinionated....

池田光穂

人間と動物の存在様式の関係性を、よりわかりやすい 言葉で言い換えると、それは人間と動物の間の相互作用を観察し分析することから理解される事柄のことである。これまで人間は、自然の領域に住まう動物と同 じ状況から高度な社会生活をつくりあげ、かつ文化を創造することで「自然状態」から脱却したと言われる。〈文化という状況=文脈〉に住まう人間は、自然状 態にいる動物を狩るという行為を通して、これまで通りの動物間の食う/食われる(捕食—被食)関係とは、異なった位相のもとに移行することになった。人間 と動物の関係を相互作用の観点からながめることは、人間と動物がどれだけ共通した過去の「自然状態」のもとにあり、また人間がどれだけ〈文化という状況〉 を創造することで、どこまで自然からの脱却を果たしているかについて知る手がかりになるからである。

相互作用を可能にするのは、2つのプレイヤーの間に 対等の思考—行動のプログラムを具有している。あるいは双方がそのように相手に思い込む場合においてである。ちなみにマット・リドレー[2010:104 -106]は人類史において〈文化という状況〉のもとで、最初に登場したのは狩猟道具の発明とその改良であるという。狩猟道具の発明とその改良は、その後 の人間と動物の間の相互関係を根本的に変革した。これらの事態と関連するのが、人間の〈他者への情動の投射〉と〈交換〉というコミュニケーション様式にあ るという。他者を思いやる気持ちの起源は、現在の我々が信じてい る共感や同情というセンチメンタルなものではなく、狩猟仲間との協働で重要になる他者が何を考え次にどのように行動するのかを推論する能力である。 この能力は、ニコラス・ハンフリー[2004[1976] ]によると、もはや人間の独占物ではなく霊長類と我々は分かち持つものなのである。〈他者への情動の投射〉とは、相手を思いやる気持ち、より正確にはコ ミュニケーションを通して自分の頭の中で〈相手の経験や推論〉を再現(=追体験)することができることであり、〈交換〉とは、自分にあり相手にないものと 相手にあり自分にないものを取り換えることであるが、それらは相互に密接に関連する[リドレー 2010:106-110]。狩猟動物と人間の関係は、文化人類学の研究がこれまで明らかにしてきたように生態学的な有用性の次元を超えたより強い心理的 (あるいは霊的)結びつきが強調されている。しかしながら、実際にはこの関係性は、我々の想像を超えて、狩猟民が植民地情況に置かれようとも複雑に反応 し、そのエートスを変形させながらもしぶとく温存するという強い存在論的関係のもとにある[黒田 2001]。

出典

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文献

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Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

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