ポストモダン状況とエコ・ツーリズム
Ecotourism in Post-Modern Era
ポストモダン状況におけるエコ・ツーリズム
近代を問い直す作業/フレームとして「ポストモダン状況」を考える。
「エコ・ツーリズム」への関心(市場的・世論的・研究的)が高まりつつある背景にあるもの//ある いは、同時進行中のこと
・環境問題の地球レベル化/→先進国におけるニュース情報の一元化とも関連
・「環境難民」の発生(→発生原因を「自然環境」にすること/内政[農業・政治・人口]の失 敗と考えない/当面の技術などにおいて統御不能である、とすること)
・科学技術における要素還元主義への不審(現場(例:バイオサイエンス)においては不審など はないにもかかわらず)とその反動としての「ホリズム」//→二つの主張が相互に排除する形で語られることよりも、相互に補完的に主張される。[→生態学 における、方法論的還元主義を採用する生理生態研究ジャンルのように]
「環境保護」におけるエン トロピックな語り(→「昔は自然がいっぱいあって、それが現在は衰退しているんだ!」という語り。エントロピーの増大=無秩序化に仮託した 表現法)
「環境ナショナリズム」と「環境インターナショナリズム」あるいは planetary conciousness
・ネイチャー&デッド・スワツプ(→先進国による支配か連帯か?)
・近代的学問(=生態学)の利用と裏付け(→その利用には主張を異にする抗争がある:例「焼 畑」論争)
・環境問題をめぐる論争(資本 V.S. 自然保護派)
※「自然保護派」は集合のカテゴリーであり、実際の活動・依拠する理論・政治的党派性な どは多様であることを、予め念頭におくこと。
・「エコ・ツーリズム」現地社会の反発
期待するほど経済効果が求められない(→通常の開発を念頭におくという誤解がある)
エコ・パッケージ・ツアーとして、容易に従来の観光のフレームのなかで商品化される(→ 先進国や多国籍企業に収益が回収されてしまう構図)
【従来の枠組みの可能性と限界?】
・モダン観光における図式からの変更
<ホスト>と<ゲスト>の関係の変化、あるいは変質
ホストとゲストの切断が不明瞭
<ホスピタリティ>の二面性(ゴフマン)がなりたたない
帝国主義的解釈の困難性
◆ 観光研究・観光人類学データベース・サイトにもお寄りください ね!