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老人の地位処遇に関するドナルド・カウギル(Donaldo O. Cawgil, 1972)の仮説(13のテーゼ)[出典は(片多 1981:146-148)]
1.社会における老人の地位は近代化の程度と反比例 の関係にある。
2.全体社会の中の老齢人口の比率が低いほど老人の地位は高くなる。
3.老人の地位は社会変化――テクノロジー、職業構造、都市化など――の比率に反比例する。
4.居住地が固定していることは(米作農民のように)老人の高い地位につながり、(都市住民や狩猟採集民のような)居住地の移動性は地位の低さ につなが る。
5.老齢になっても土地、家屋などの所有権を維持しうる場合には、その所有権が老人に経済的安定ばかりか威信や権力をも与える。
6.伝統や儀式を重んずる「民俗社会」で、それらの伝統を保持し正しい儀礼のあり方を伝えていくのは、主として老人たちである。
7.文字をもたない社会ほど老人の地位は高い。つまり、本や図書館・学校などに頼れない社会で、知識、経験を蓄積し伝達するのは主として老人た ちであり、 かれらはしばしば多様な機能――歴史を語り、系譜を暗記し、職業指導をし、教師・書籍・図書館のかわりをつとめ、医師や祭司となるなど――を果しているの である。
8.(当然のことながら)老人が有益かつ価値の高い機能を持続して遂行しうる社会ほどその地位は高い。
9.拡大家族が一般的で、それが世帯構成の単位として機能している社会ほど老人の地位は高い。非産業社会では、一般に老人に経済的安定を与えるのは家族の 役割であるが、それが産業社会ではより大きな集団、とくに国家などに移行しようとしている
10.現代産業社会にくらべて部族社会では退職、定年などによって老人の役割が変容されたり奪されることが少い。
11.部族社会にくらべて現代産業社会では指導的役割を果している老人の数は少い。
12.部族社会でとくに重要な老人の役割は宗教的リーダーシップである。老人たちが祖先(死者)を個人的に知っており、自身も死に近い立場にあることがこ うした地位をもたらす原因となっている。
13.自我の発達や個人的業績を強調するような価値体系のもとでは老人は不利な立場にたたされやすい。
[オリジナル出典]Cowgill, Donald O., 1972. A Theory of Aging in
Cross-Cultural Perspective. In Aging and Modernization, Pp.11-13.,
Donald O. Cowgill and Lowell D. Holmes eds., New York: Meredith
Corporation.
【設問】
1.
2.
リンク
文献
出典:「嬰児殺しと棄老に関する考察ノー
ト」
Mitzub'ixi Quq Chi'j
Copyright Mitzub'ixi Quq Chi'j, 2018
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