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ゴルゴ13と人類学理論

Golgo 13 and Anthropological Theories

池田光穂

★さいとうたかを『ゴルゴ13』のアンソロジーにルーツ編というのがある.文化人類学者として改めて読むと彼の射撃の天才的才能にはNature vs. Nurture の議論があり.この著作は戦後日本の政治的健忘症としての人種改造の夢(→「人種理論」)が投影されていることがわかる。下記の情報は「【ゴルゴ13】ゴルゴのルーツ(出生の秘密)編すべて集めました~ゴルゴの正体として相応しい生い立ちはどれ?」(2020年3月28日)からの引用である(巻は異同がありことわりなく一部を修正しています)。※右のカラムは、私のコメントである。

すべて人民のもの』 第81巻収録。ゴルゴ13の正体はグレゴリー・皇士・東郷=ロマノフであるとするストーリー。ゴルゴに流れているのはロシア最後の皇帝・ニコライ2世の血 なのか? 皇帝に仕えた怪僧・ラスプーチンの血なのか? 歴史の闇に葬られた五番目の皇女の謎とは? ロマノフ王朝が残した莫大な財産をめぐり繰り広げら れる歴史スペクタクル!

芹沢家殺人事件』 第27巻収録。ゴルゴ13の正体は芹沢五郎であるとするストーリー。戦後まもなく発生した芹沢家一家皆殺し事件。捜査が進むにしたがって浮かび上がる疑 問。芹沢家は戦時中、誰一人として軍隊に召集されていないのだった……。唯一の生存者である五郎が、じつは幼き日のゴルゴではないかという仮説で迫るミス テリー巨編!
・ゴルゴ13が、暗殺を旨とするテロリストであるが、その冷血は、「訓練」によるものだと主張した点では、これはNurture派に属する。
蒼狼漂う果て』 第41巻収録。ゴルゴ13の正体は五島貴之であるとするストーリー。中ソ国境で国籍不明の遊牧民集団が発見された。報道された写真の中に一人の老人の姿を 発見した同盟通信社の元記者・長田は、驚愕の表情を浮かべるのだった……。昭和11年の2.26事件に端を発するゴルゴ出生の秘密とは……?

毛沢東の遺言』 第51巻収録。ゴルゴ13の正体は東郷狂介であるとするストーリー。旧日本軍のエリート・東郷宗介とは何者か? 旧日本軍が行った謎の計画“ルーベンスボ ルン作戦”とは何か? 毛沢東が残した遺言「小東郷を捜せ」の謎……。ゴルゴにジンギス汗の血が流れているという仮説で迫る歴史ミステリー!

河豚の季節(と き)』第57巻収録。ゴルゴ13の正体は東郷英治であるとするストーリー。戦後最大の謎とされるユダヤ人武器商人・マインベルグ。マインベルグの過去を洗 う新聞記者・村本は、元海軍大佐から戦時中に行われたユダヤ人移住計画「河豚計画」について聞かされる……。ゴルゴにユダヤ人の血が流れていたという仮説 で迫る圧倒の160ページ!

おろしや間諜伝説』 第32巻収録。ゴルゴ13のルーツは日・ロ混血であるとするストーリー。ゴルゴ13を専属エージェントとして雇いたい日本政府はゴルゴの出生について調 べ、ゴルゴの一族がもつ“ある奇病”の存在を突き止める……。ゴルゴの父親と目される人物に、帝政ロシア陸軍少尉のアレクセイ・スメルジャコフが登場す る。

日本人・東研作』 第13巻収録。ゴルゴ13の正体は東研作であるとするストーリー。ラスベガスで交通事故死した日本人旅行者の遺留品から発見された一枚の写真。そこに写っ ていたのは若かりし頃のデューク・東郷とおぼしき人物だった! 旧財閥系の血筋……。謎の組織“I機関”の存在……。忽然と姿を消した陸軍大佐・伊藤忠政 とは一体……?

禿鷲(トゥイン) 伝説』 第86巻収録。ゴルゴ13の正体は東堂高志であるとするストーリー。KGBきっての工作員だったコズロフ。ゴルゴの写真を見せられたコズロフは、大戦中に 出会った一人の少年の姿を思い出すのだった……。日本陸軍の特務機関「卍」とは何か?「卍」所属の一級暗殺者・藤堂征一郎とは?斬新な仮説でせまる長編ミ ステリー!

『亜 細亜の遺産』第160巻収録。戦後、反占領軍活動を目的として設立された「黒田機関」。総帥の黒田は戦時中に共に金品強奪を行ったメンバー、東郷俊太郎に 殺されてしまう。黒田機関の後継者・千絵は数十年後にその事実を知り、東郷俊太郎の息子とされる“デューク東郷”に最強の刺客・江兄弟を差し向ける が……。
※これ以降は、CiNiiには収録されていない。
『G の遺伝子』ゴルゴの娘と目される天才少女、ファネット・ゴベールが登場する一編。ゴベールがシリーズ屈指の人気キャラへと成長する発火点となった作品であ るため、彼女に注目が集まってしまった。が、本来はゴベールを捕らえて、そのDNAを解析することで、ゴルゴの正体・ルーツを暴こうとするストーリーであ る。

『血液サンプルG』第106巻収録。CIAがゴルゴの投宿したホテルで意図的に腸チフスを発生させ、宿泊者もろとも強制的に血液検査を実施。CIAから依頼をうけた血液学者シンプソン博士は、ゴルゴのルーツは日本かバイカル湖周辺にあることをつきとめる。

『7号コテージ事件』第61巻収録。無人となっているコテージに上がり 込んで酒を飲んでいたチンピラが逮捕された。しかし借主が被害届を出さないため釈放となる。被害届を出さないことに疑問を感じた刑事・マーウィックは捜査 を開始するが……。ゴルゴの血液型が判明する興味深いエピソード。

『亜江良十三の大報道』朝日新聞社の雑誌『AERA』のスーパー特派 員・亜江良十三が、世界各国から国際情勢をリポートする『亜江良十三の大報道』にもゴルゴのルーツに関する記述が登場。キャッチコピーでは「あのゴルゴ 13に瓜ふたつ」と形容される亜江良十三ですが、それもそのはず。亜江良十三には一卵性双生児であり、国際的な暗殺者として活躍する兄がいる設定なので す。最後にゴルゴ本人(断言はされていませんが)がカメオ出演しています。

『ゴルゴ13 スペシャルエディション3 Gの起源』ルーツ編がスペシャル・エディション3冊分で甦る! 第一集は『Gの遺伝子』『血液サンプルG』『蒼狼漂う果て』『芹沢家殺人事件』の4作品を収録のほか、ゴルゴ13研究家である杉森昌武&杉山光男の両氏に よる豪華対談「“ルーツ編”の楽しみ」も収録しています。

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