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ヘルスコミュニケーション入門 0613

ヘ ルスコミュニケーション2017

池田光穂

このレクチャーは2つのストーリから構成される。ひ とつは、「健康科学としてのコミュニケーション」であり、もうひとつは「薬学コミュニケーションの特徴」である。

結論を先取りすると、同じコミュニケーションといっ ても、前者と後者は、かなり違うということだ。それは、どちらのコミュニケーションが正統性があるのかという問題ではない。この授業では、「健康科学とし てのコミュニケーション」と「薬学におけるコミュニケーション」というものがあり、それらの異同を確認しても、それほど勉強にはならないだろう。それは、 それぞれの分野が要求する「コミュニケーション」の定義が異なるからである。ここでは2つのタイプのコミュニケーションを、「まるでバイリンガル」のよう に私たちは、それぞれ、理解しなければならないということだ。

(1)「健康科学としてのコミュニケーション」

ヘルスコミュニケーション:保健コミュニケーション、健康コミュニケーション、health communication, Comunicacion de salud

(2)「薬学におけるコミュニケーション」

「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準拠したヘルスコミュニケーション教育

薬剤師国家試験におけるコミュニケーショ ン(国家試験問題[抄])

薬学領域において「コミュニケーション能力」の陶冶 (とうや=学習者を鍛え訓育させること)が必要になるのは、「薬学教育モデル・コアカ リキュラム」に記載されている指導要領のガイドラインにあり、日本において、それが薬剤師という専門職の資格取得に必要だからである。また、その ことを反映させるために、薬剤師国家試験の中に、コミュニケーション能力を問う試験問題ももりこまれている。

【課題:0613】■課題シートA3印刷用【Kadai-HC-CSCD-170613.pdf】パスワードありません

この授業は、前半のレクチャーと、後半のグループ学 習、そして、グループ別発表後の教員を含む全員からのフィードバックと、教員によるまとめからなりたちます。

グループでは、互選により、司会者とレポーター(記 録係を兼ねる)を決めて、学期が終了するまでに、最低1〜2回はその役割をする必要があります。

最初に簡単なアイスブレーキングをした後に、以下の 課題をとき、1.〜6.までの課題の全てについて報告します。

1.薬の専門家である薬剤師が考えるようには、薬学 ケアの実践がうまくいっていないのはなぜですか?(グループのメンバーで、どのような事が問題なのかあぶりだしましょう)

2.専門家は薬学ケアが必要だと主張していますが、 患者・生活者から薬学ケアを実践してほしいという要望がないのはなぜでしょうか?

3.薬学ケアを向上させるために、今すぐでも実行で きることは何でしょうか?

4.「ケア」するとは、どのような意味をもちます か?

5.「相互理解」という言葉は、なぜ薬剤師と患者 (=生活者)との関係を考える時に使われるのでしょうか?

6.患者・生活者の自己決定権という課題と、現場で の経験における「患者の擁護」とは、どのように関係しているのでしょうか? この2つはどのように異なっているのでしょうか?

■この課題の出典文献:『薬剤師と薬学生のためのコ ミュニケーション実践ガイド : 患者カウンセリング・服薬指導のスキルを磨く』Bruce A.Berger [著] ; 竹内由和訳、じほう、2004年.p.45

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