「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準拠したヘルスコミュニケーション教育
――2013(平成25)年版改訂版を参照にして――
■おことわり
このページの内容は「日本薬学会」および「薬学系人材養成の在り方に関する検討会」と は、全く無関係の、いち大学教員による「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に対応した、ヘルスコミュニケーション教育を考えるページです。このページの 読者は、そのような観点を含んでこのページをお読みください。
■薬学教育の理念
・「薬剤師としての求められる基本的な資質」を陶冶 する。
・そのための教育方針はOBE(Outcome- Based Education)=「学習成果基盤型教育」(p.3)と呼ばれる。
・最終的に、基本的な資質を身に付けるGIO (General Instructional Objective)=「学生が学修することによって得る[目標]成果」を設定し、GIOを達成するための到達目標すなわちSBO(Specific Behabioral Objective)=特定の行動目標成果を達成するようにする。
・SBO(Specific Behabioral Objectiveは、総量で1,073項目ある。
■「薬学教育モデル・コアカリキュラム」の全体の項 目
薬学教育の構造は、1)「薬学準備教育」、2)「コ アカリキュラム」、および、3)「薬学アドバンスト教育」の3層構造からなる。
1)「薬学準備教育」では、
からなる。次のコアカリキュラムが中核をなすが、こ れは後述する。
そして、
3)「薬学アドバンスト教育」では、
という構成になっている。
■「コアカリキュラム」
■薬学教育とコミュニケーション
薬剤師として求められる基本的な資質(p.2)
1)薬剤師としての心構え、2)患者・生活者本位の 視点、3)コミュニケーション能力、4)チーム医療への参画、5)基礎的な科学力、6)薬物療法における実践的能力、 7)地域の保健・医療における実践的能力、8)研究能力、9)自己研鑽、10)教育能力、である。
■「基本的な資質」にみられるコミュニケーションの 内容
「患者・生活者、他職種から情報を適切に収集し、これらの人々に有益な情報を提供するためのコ ミュニケーション能力を有する」(p.16)
■薬剤師が求められる「信頼関係の構築」におけるコ ミュニケーション能力とは?(pp.20-21)
GIO(General Instructional Objective)=「学生が学修することによって得る[目標]成果」=「患者・生活者、他の職種との対話を通して相手の心理、立場、環境を理解し,信頼関係を構築する ために役立つ能力を身につける」(p.21)
これにおける「コミュニケーション」には以下の10 項目あげられている(pp.20-21)。
■薬学アドバンスト教育ガイドラインにおける「コ ミュニケーション」(p.99)
A.基本事項の【2コミュニケーション】[関連コア カリ(3)1]として以下の記述がある(p.99)
1.心理療 法の基礎理論(精神分析、認知行動療法、来談者中心医療など)その活用法について説明できる。
2.代表的 な精神障害(統合失調症、うつ病など)・パーソナリティ障害(境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害)・発達障害の症状およびコミュニ ケーションの特徴について概説できる。
■B 薬学と社会
GIO(学修目標)=「人の行動や考え方、社会の仕組みを理解し、人・社会と薬剤師の関わりを認識する」 (p.23)。
1.人の行 動がどのような要因によって決定されるのかについて説明できる
2.人・社 会が医薬品に対して抱く考え方や思いの多様性について討議する。(態度)
3.人・社 会の視点から薬剤師を取り巻くさまざまな仕組みと規制について討議する。(態度)
4.薬剤師 が倫理規範や法令を守ることの重要性について討議する。(態度)
5.倫理規 範や法令に則した行動を取る。(態度)
■F 薬学臨床
(1)薬学臨床の基礎
GIO(学修目標)=「医療の担い手として求められ る活動を適切な態度で実践するために、薬剤師の活躍する臨床現場で必要な心構えと薬学的管理の基本的な流れを把握する」(p.82)
基本語彙:倫理規範、法令、個人情報、自己決定権、
健康回復、健康維持、生活の質、インフォームド・コンセント、守秘義務。
■(4)患者・来局者対応、服薬指導、患者教育 (pp.84-85)
■(4)チーム医療への参画(Pp.87-)
■(5)地域の保健・医療・福祉への参画
(1)〜(4)(Pp.88-89)
■G 薬学研究(p.90)
■総論として……
薬学教育とその終わりに、それぞれ、よい「薬学概
論」とよい「薬学総論」教育がおこなわれる必要があります! 前者には、希望にもえる薬学生に薬学というものが、とても学際的で高いモラルが要求される総
合的な専門職であることの概略を教え、後者には、すでに薬学の各論を学んだ、学生が、国家試験合格後に、社会に進出する際に、つねに知識を総合的にアレン
ジメントして実践する専門家としての薬剤師、専門家としての薬学者であるという認識を身につけてもらうためです。
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■ふるいページは「薬学コミュニケーション(パイロット版)」に移転しました。
下線でリンクします。
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リンク
資料「薬学教育モデル・コアカリキュラム」2013 (平成25)年版改訂版へのリンク先
文献
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