かならずよんで ね!

アクティブ・エイジング

 On Active aging, by WHO(2002)

池田光穂

アクティブ・エイジングは、2002年4月、スペイ ン・マドリッドで開催された第2回国際連合高齢者問題世界会議にWHOが提出した「アクティブ・エイジング―その政策的枠組み」(Active Ageing:A Policy Framework)で提唱された用語である。

アクティブ・エイジングの定義は次のように規定されている:「アクティブ・エイジングとは、人びとが歳(年)を重ねても生活の質が向上するように、健康と参加と安全のチャンス(機会)をもっともふさわしいように(=最適化する)過程のこと」をさす。

アクティブ・エイジングには、下記の用語集にあるよ うに、寿命の伸展に伴っても生活の質(QOL)を維持した自律(=自分でできる)や自立(=一人で独立している)を前提にしているために、高齢者は自分の ことを処しながらも、同時に緩やかに家族や地域社会の支援をうけて生活する「古典的な高齢者のイメージ」からは、多少遠ざかった、西洋の自律=自立モデル が強調されすぎているという批判は可能である。だが、西洋近代医療が、通常の人間の社会的過程であるエイジングを、過度に医療化し、近代医療に従属させて しまった弊害を、WHOの西洋からの専門家自身が自覚、反省しているとも言えるから、このような自律=自立信仰を強調しているのだと、同情的にみることが できる。

したがって、このアクティブ・エイジングの理想と方 針が、今後とも未来永劫に続くとは限らないかもしれない。むしろ、経済的ならびに社会的自立を至高の価値にしてしまうと、高度医療に従属したり十全の福祉 サービスを期待することが、あたかも(非高齢のヘゲモニーをもった人たちから)罪悪視されてしまうという危険性もはらんでいる。また、高齢者に対する財政 負担は、ここのままではますます増加していくので、自律=自立が、経済的に社会に損失をかけない高齢者が「善い」存在であるという風な価値観を醸成する可 能性もある。

WHOの報告書【Active ageing: a policy framework】の章立ては下記のとおり(仏独版もあり)。

評者(池田)は、アクティブ・エージングのトレンド が、今後、伝統的な社会がこれまで育んできた、老人の取り扱いに関する処遇の多様性を、過度の医療化、過度のグローバルな普遍的価値(実際は西洋的啓蒙思 想の変形)の押し付けにより、老人のライフの多様性がどんどん失われ、老人=人生の廃棄物と否定的に見られるか、あるいは偽の笑顔でカモフラージュした 「偽りのアクティブエージング」として規格化されないように、見守る必要性を感じている。経済の多様性が、老人の生活の質の多様性の連続体に(再)配列さ れないような、アクティブ・エージングを模索します。

用語集とその用語の定義

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