- クレジット:平成27年度 大阪中学生サマー・セミナー「認知症コミュニケーションへの招待」(1-1)
- 受講資格:大阪府下の中学生(保護者同伴可能)
- 講座のねらい:「認知症の人」とのつきあい方についてグループワーク対話を通してみんなで考えます。保護者の方も大歓迎!
- 講座の内容
- 認知症(にんちしょう)という言葉を聞いたことがありますか? みなさんのお母さん、お父さんの会話や、ニュースなどで聞いたことがある
人もいるでしょう。あるいは、駅などで困っているお年寄りに声をかけることを保健体育の時間で勉強しましたか? このセミナーでは、認知症とよばれている
人と、そうでない人が、仲良く暮らしていける社会にするには、どうしたらいいのかについて、グループ討論を通して考えます。保護者の方や、大学生や大学院
生、福祉の現場で働いている人たちも交えて「みんなの課題」として考えます。
プログラム
・講師の紹介
・参加者の自己紹介
・話題提供とグループ討論
・グループ発表
・全員による討論
※適宜休憩があります。
- 開催場所:コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)大阪大学豊中
キャンパス・オレンジショップ
- 阪急宝塚線・石橋駅20分、大阪モノレール・柴原駅7分
- 開催日時:2015年8月1日(土)13:30-18:00
- 《プログラム》
- 池田光穂:オリエンテーション、75歳の私の実習、電脳紙芝居「おじいちゃん」上演、グループワーク
- 西川勝:業田良家の漫画をつかった、近未来の日本の高齢化問題を考える、グループワーク、プレゼンテーション実習
- 宮本友介:ぺころす劇場――ロールプレイング技法を使った演劇実習、グループワーク、プレゼンテーション実習
授業の様子
◎75歳のワタシ(実習)
◎キックオフ
◎グループワーク
◎プレゼン
◎ロールプレイング(「ぺころす劇場」)
◎修了書の授与式
◎修了書です〜♪
◎中学生のみんなの感想です!(抜粋)
- 認知症についてあまり考えたことがなかったので、今回のセミナーはとてもよかったと思います。
- 人前で発表するのが本当に緊張した。社会人になるまえに、もっと慣れて、プレゼンに恥ずかしくなくなりたい。
- ロールプレイング実習にすごく興味をもった。3つのすべての授業に積極的に挑戦することができました。
- 祖母が認知症で父も福祉関係の仕事をやっているので共感する部分がありました。60年後の自分に関心をもちました。
- 今までわかなかった、認知症のことがわかるようになった。
- 説明に漫画や写真を使っていたので分かりやすかった。
- 人は赤ちゃんで生まれて、赤ちゃんのように死ぬのだと思いました。老いは人間に不可欠です。今日のセミナーはいい思い出です。
- とてもたのしくてやりがいがあった。いろんな人と考えを共有できた。
- 楽しく学べました。認知症について考えるとてもいい機会になりました。
- 認知症は自分には遠い話題だと思っていました。……貴重なお三方(=講師)の話を拝聴できてうれしいです。
- ロールプレイングをするとは思わなかったので、おどろいた。「おじいちゃんの話」は悲しいけれど感動した。
問題提起リンク集
リンク集
◎御両親御祖父母などの大人の方に(この授業のねら
い)
私たち(西川と池田と宮本)は,大阪大学における大
学院の
共通教育科目「認知症コミュニケーション」という授業を過去3年間においておこない、累計で200名近くの受講者に対して対話型のアクティブラーニング授
業をこれまでおこなってきた.そしてその拡大版として2015年8月には,大阪府下の中学生20名と保護者を招待し,半日間の対話プログラム「認知症コ
ミュニケーションへの招待」を開催した.これらの一連の授業や公開イベントのねらいは、まず認知症者というものを統一した病状をもつ普遍的な行動様式をも
つ病人ととらえることを一旦やめることで、認知症者のステレオタイプから解放されて、個々の認知症者の豊かな個性の一端を知ることを通して、非認知症者を
自認する私たちが、認知症および認知症者を同胞として捉えなおした時に開かれるコミュニケーションの回路について考えることにあった
文献
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- 介護漂流 : 認知症事故と支えきれない家族 / 山口道宏編著,東京 : 現代書館 , 2016
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