かならずよんで ね!

Alive Inside(内なるいのち)の衝撃

"Alive Inside"(2014), the Great Film on dis-communicative "Dementias and/or Alzs"

池田光穂

私が、認知症者に音楽(iTune)を聴かせて、認 知症の症状を改善させようとしたプロジェクトのドキュメンタリーフィルム、"Alive Inside"(2014)[アライブ・インサイド]文字どおりに訳すると「内なるいのち」(邦題名:パーソナル・ソング)を見たときの衝 撃は、非常にわくわくするものだった。

日本では認知症は、2013年ごろから、厚生労働省 や、そこから研究助成を受ける疫学者や「認知症」科学者たち、そしてさわやか福祉財団、地域ケア政策ネットワーク、全国キャラバン・メイト連絡協議会等の キャンペーンをとおして、日本における認知症者の人口の増加、高齢者比率における認知症者の増加、認知症そのものの世界的増加、それに対応できない社会の 困惑、そして、それに対して対処(コーピング)する社会の側の必要性などが、声高に叫ばれるようになった。

そのせいで、現在では「認知症サポータ数」は93万 96,047人(うちキャラバン・メイト:14万3,584人)[2017 年9月30日現在]にまで増大した。認知症は、我が国の高齢者の国民病となり、また、認知症と取り組むのが国家の使命とまで言われる国民的合意が できあがっている。他方で、介護認定などにおいて、介護家族が、その当事者を認知症として認定を求める機運と、当事者がそれを忌避回避否認するという状況 もまたうまれている。認知症を正しく理解するための、認知症の「ただしい啓蒙」は、同時に、日本における認知症者へのスティグマの再生産にも寄与してい る。また、認知症を「予防」するさまざまな福祉的手法への期待、研究への助成、新薬開発への公的資金投入への社会的容認もまた招来している。いまや、日本 における認知症は国民的病気であると同時に、医療・看護も含めたケア福祉関連産業の市場規模は巨大なものになっている。

その中で、米国の認知症(アルツハイマー症)の高齢 者たちに、音楽(iTune)を聴かせると、認 知症の症状が劇的に改善されたように「見える」このドキュメンタリーは、日本国内で、日々、認知症に取り組む人たちになにかの希望を与えるよき機会である と同時に、認知症者のまさに生きている内的世界(Alive Inside) についての不可思議と、(諦めずに)さまざまな挑戦への期待をおこなうべきだと、私たちを駆らせる映画でもある。以下のリンク先は、スペイン語のサブタイ トルがついた全編の映画作品である。YouTubeでは、ほかにもAlive Insideと検索すると、トレイラーのほか、かさまざまな関連画像を視聴することができる。皆さんにも衝撃をうけつつ、かつ楽しんでほし い。私の大好きな、オリバー・サックス先生も登場します! 他方で、米国の老人保健施設での薬漬けの実態もまたショックであり、その状況も窺い知ることができる。

■Alive Inside (2014) -トレイラー(予告編、宣伝見本)



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今後、本文加筆予定……

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