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消費社会と消費主義

Consumer society and Consumerism

池田光穂

消費社会(consumer society)とは、資本主義経済の歴史的発展のなかで、経済的な中間層(middle class)が社会的に成長し、活発な消費活動をとおして社会の経済が回る生活様式のことをさす。ヨーロッパでは17世紀のおわりから18世紀を通して消 費社会が登場し、日本では同じく元禄時代(1688-1704)には、農村の商品作物が発展し、それにともなう町人経済が台頭し、経済活動の活性化を受け て、文芸、学問、芸術が花開いた。

消費行動は、しばしば、芸術的な工芸品の奢侈化、バロック化を引き起こすために芸術そのものはインヴォリューション(内旋)をとげる。単に、事 物を消費するだけでなく、消費行動そのものが様式化し、文化の流行や、テーブルマナーのようなものが洗練されていく傾向が洋の東西を問わず登場する。

他方、消費主義すなわちコンシューマリズム(consumerism) は、商品やサービスをどんどん購入することを推奨する考え方、あるいは主義のことである。消費社会の誕生以降、産業革命など、商品の生産が格段に進んだた めに、20世紀に突入した消費社会が、過剰生産による大量消費が引き起こされ、消費者の需要以上に商品が供給するようになったために、製造業者は、生産を 調整し——供給量を低下すると希少性がますために低下した価格を引き上げることができる——市場に介入し、また逆に広告により消費を煽り——消費を増やす ——社会のなかの生活様式が消費中心にまわるようになることを言う。

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