大学破綻処理法
How to quickly sell out
before the price
of your university falls
神戸高速神戸ゲーセン「メトロ zoo」さん提供
解説:池田光穂
大学の破綻(はたん=だめになること、潰 れること)の定義にはいろいろな考え方があります。
(1)研究教育機関としての大学とは言え ないような状態になることがあげられます。学生が勉強しない、教授が研究教育に専念しない、という ことは研究教育機関としての大学の破綻です。
(2)経営的な破綻です。これは、大学に 入学する学生が少なくなることです。学校は授業料収入と、経営に対する補助金と、自己資産の運用と いう3つの収入から運営されています。これらのひとつないしは複数の運営がうまくいかなくなると破綻します。多くの場合の、例えばマスコミ報道における大 学の破綻は、こちらのほうの定義によるものです。
(3)しかしながら、実際の破綻は(1) と(2)の複合的なものによっています。学生の人気がなくなり、大学に活力がなくなると、経営が悪 化します。それは、大学全体の研究教育の活力を下げ、いよいよ学生の人気がなくなります。つまり、これらの作用は相乗的に作用して、急速に破綻を迎える理 由になっています。
文部科学省が考える大学破綻の救済方法に はどのようなものがあるのでしょうか? 彼/彼女らは破綻にいたるシナリオを次の5パターンにある と考えているようです。
私はこのページを書いた2005年当時、今後大量の大学破 綻に見まわれると予想しました。にもかかわらず2009年春の時代に入学定員を 割っている私立大学が多く存在するにも関わらず、この現象が社会問題化していないことに奇異な感じを覚えます。
私の友人たちの解釈はこうです。
大学はリストラ(再構築)、すなわち人気のないつまり定員を満たさない学科をさっさと潰して、それに変わり、入学者を期待できる新しい 学科に次々と、その看板を替えている。
もし、そうであったら教員の質の保証はど うなのでしょうか。専門家である教員を育てるのは、大学教育の数倍から十倍の時間がかかるはずで す。ということは、問題は……
新しい新興分野の職場では、その新しい専門を十分に満たすことができない、未熟な若手教員や、その新興分野を十全に教育できないロート ル(老頭児)教員がいて、かってに「最先端」を自称していることになる。
実際に、私たちの周りをみまわすと、人文 社会科学の学科や研究科にそのような傾向が見られるようです。にも関わらず、大学はどんどん入りや すくなってきているはずですので、やはり人気の過不足は、大学の経営を圧迫するのではないかと思われます。
どうもそうならないのは、学校経営そのも のが高い収益性をもち、また国家や自治体(=地方政府)による助成や優遇政策により、生き残ってい る可能性があります。また、国民のあいだに根強くある、大学教育への信頼も、なかなか、大学を通常の企業のように容易に破綻させるようなメカニズムが働い ていない可能性が考えられます。
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