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プラシーボとノシーボ

Cognition and re-cognition of Placebo and Nocebo

解説:池田光穂

Henry K. Beecher, 1904-1976
Norup M. Hrobjartsson, "The use of placebo interventions in medical practice--a national questionnaire survey of Danish clinicians." Evaluation & the Health Professions 2003 Jun 26(2):153-65. PMID 12789709
1955年にヘンリー・ビーチャー(英語 版)が研究報告をして[2][3]、広く知られるようになった。近年、喘息患者を対象にした研究で、偽薬や偽の鍼治療などをしても何ら病状(最大呼気流 速)は改善されないが、主観的な呼吸苦は西洋医学的な吸入薬(アルブテロール)と同等の改善が見られた[4](無論、それは良くなった「気がする」だけで あって病気自体は何ら改善してはいない)。これにより、偽薬だけでなく「無介入群」を設定することの必要性も提唱されている[5]。 偽薬効果が存在する可能性は広く知られている。特に痛みや下痢、不眠などの症状に対しては、偽薬にもかなりの効果があるとも言われており、治療法のない患 者や、副作用などの問題のある患者に対して安息をもたらすために、本人や家族の同意を前提として、時に処方されることがある。医師法にも、暗示的効果を期 待し、処方箋を発行することがその暗示的効果の妨げになる場合に、処方箋を交付する義務がない事が規定されている。 多くの場合、重要で意味のある偽薬効果を得るために欺瞞や隠蔽は必要ない。驚いたことに、偽薬であることがわかっていても、偽薬は機能する[6]。
2001年にNew England Journal of Medicineに掲載されたHrobjartssonらの論文は、治療手段としての偽薬の効果が限られていると主張し、反響を呼んだ。この論文で著者ら は、過去に行われた偽薬と無治療との比較試験100編以上の論文をレビューして、痛みの症状は偽薬によって若干改善されるが、それ以外では、偽薬が自覚症 状や他覚症状を改善する証拠はなかったと述べている。 「偽薬効果は客観的にも有意な改善が見られ、積極的に用いて良い治療法である」「客観的な改善はなくても自覚的・精神的な安息が得られるから認められるべ きである」という肯定的な意見がある一方で、「偽薬には一切症状を改善する効果はない」「いずれにせよ、いかなる場合も倫理的に認められない治療法であ る」など、様々な意見が対立している。2006年現在、少なくとも標準的な治療法とはなり得ていない状況といえる。 デンマークで行われたある調査では臨床医のうち、30%が偽薬効果による客観的な症状の改善を信じており、86%が最低1度偽薬を使った事があり、46% が倫理的に偽薬の使用を認めると考えていた[7]。
1.絶対に効かないという治療法はない
2.絶対に効くという治療法もない
3.各治療法は互いにつじつまが会わない
4.草創期の新興治療法はよく効く
5.信念だけでも治ることがある
6.以上の結論を包括する統一変数は治療に対する信仰心である

病 気の認知概念

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