文化人類学の学び方
How to Learn efficiently Cultural Anthropology !!!
解説(かいせつ):池田光穂(いけだみつほ)
文化人類学の理論やフィールドワー クをはじめとする文化人類学の研究実践に興味をもたれた人は、 はたしてどのように文化人類学を学ぶことができるでしょうか? ここでは文化人類学のつぎの6つの実践について考えます。
1.文化人類学の理論について、より知識を深める
文化人類学に関する本(図書館)、ウェブページ、博物館などを訪問し、手当たり次第に読んで みよう。文化人類学の面白いところ――ある意味で欠点でもあるが――は、その研究テーマ、方法論、理論(=考え方)、そして、それを研究する文化人類学者 の主義主張に、おおきな広がり(=多様性)があることだ。文化人類学を勉強することで、もっとも重要なことは、あなたが手にした文化人類学の本が、どのよ うな点でも完璧なものではないということだ。ということは、あなたにぴったりした文化人類学が、かならずどこかにある可能性がある。つまり、あなたなりの 文化人類学を構築できるということなのだ。
2.おなじ関心をもつ人たちで研究グループをつくる
文化人類学は1番の命題のように、多様な広がりがある。文化人類学を学ぶということは、人間 の知識の広がりを知ることであり、また人間の思考の多様性にも触れることである。同好の士を探すことは重要である。また、その多様性に辟易しながらも、共 通点を見いだしてゆく努力も大切である。将来必要となる文化人類学者の能力開発の課題(=修養)として、変人とつきあい、勉強をするために協調するという ことは大切なことなのだ。
グループ運営の潤滑剤は、1)小規模なグループ、2)互いに恩恵をうける精神、3)自発的に
運営がつづく持続可能な方針の維持、である。
問題にもとづく学習(Problem-Based Learning, PBL)は、文化人類学を実践的に学ぶのにもっともよい方法である。
3.文化人類学を実践している研究教育機関を訪問する
文化人類学について学ぶことの要衝は、1番と2番の命題を守ることにつきる。しかし、これだ けでは、無手勝流の文化人類学の体得に終わる可能性がある。世の中で通用する文化人類学のスタンダードを知ることは重要である。全国にある文化人類学を研 究教育している機関を訪ねて、自分(達)のイメージを確認することが重要である。
文化人類学の研究機関のリストは、この分野の最大の学会である『日本文化人類学会』について は以下のウェブサイトから調べることが できる。
4.文化人類学を独習する
5.文化人類学をテーマにした研究会や学会に出席する
文化人類学をテーマにした研究会や学会はでリンクする日本文化人類学会のウェブページに地方の研究会や全国レベルでの学 会(研究大会と言います)に関する情報が掲載されています。地方の研究会や研究大会は、原則として学会員ためにありますが、一定の手続きを踏めば、学会員 でない人にも参加することができます。その場合、参加料などを徴収されることもありますので、あらかじめ理解しておいてください。
6.自分でさまざまな文化人類学の研究プロジェクトをつくりあげる
文化人類学について、ある程度知識がついたら、つぎに実践ということになります。同好の士と プロジェクトを組んでミニ・プロジェクトを組んでみてはどうでしょうか?
もちろん、文化人類学の研究対象は広く人間一般を含んでいますので、調査に関するさまざまな 制約――行政府の許可や指導、調査対象者との倫理的な関係の遵守など――がありますが、これは何も文化人類学の実践のみに課せられるものではなく、ひろく 科学一般において適応されるものです。
プロジェクトを立ち上げたら次のステップに進みます。
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