はじめに 読んでください(このページの作者:池田光穂

フィールドワークとはなにか?

¿ Qué es el contenido del trabajo de campo ?

フィールドワーク (field work)とは、研究対象となっている人びとと共に生活をしたり、 そのような 人びと[インフォーマン ト(informant, 情報提供者)]と対話したり、インタビュー(interview, 面接問答)をしたりする社会調査活動のこと、である。また、フィールドワーカー (fieldworker)とは、フィールドワークをして調査をする人のことをさす。

しかしながら、現地にいけば、誰でも「対象社会を理解することができる」と思い込むことは危険で ある。そもそも、対象社会とはなにか? そして「社会や文化を理解することができる」とは何かについて、ここでは十分に検討されていないからである。(→解釈人類学者クリフォード・ギアーツの「意味のパターン」

フィールドワーカーは、しばしば自分の母国で学んだ調査方法論やその知識を使って、対象社会や調 査対象となる人々のつきあいの中で、フィールドから帰って、その人たちがいないところでは、人々の気持ちや生活を代弁してやろうという気持ちになる。たと え、それが善意にもとづくとしても、これは無反省に行えば知識の使い方を誤ることになる。人類学者は、自分が学んで得た知識を使って、調査対象者の人びと を代弁=表象(represent) できる特権をもつと[人類学者たちは]思っているが、それはしばしば自分が現地社会 から学んできた過程を忘却することと関連している。彼/彼女らを代弁できる特権は、しばしば、調査者と調査さ れる人にとっての双方にとっての損失(=マイナス・サム・ゲーム)になっていることを自覚することが重要だ。フィールドワークの倫理とは、他者から知識を得ることではなく、他者との間の関係性のこ とを 意味する。他者との間の倫理を〈取り戻す〉ということは、フィールドワークにおいて自分がもつ特権を忘れ去る(自分が学んできたことを捨て去る= unlearning)ことであり、他者たちについての知識について「必死に学ぶこと」 を意味する。映画『スターウォーズ』のなかで、ジェダイの騎士になるべくヨーダ師のもとに赴いたルーク・スカイウォーカーは、師からこのように忠告される:You must unlearn what you have learned.

"El trabajo de campo es uno de los métodos de investigación sobre el terreno, tradicionalmente de las ciencias naturales y de las sociales, como la antropología cultural y social".

今 日では人類学の分野以外にもフィールドワークという研究手法は広がっているが、他の分野と異なる、人類学固有の特徴は「フィールドワークとエスノグラ フィーの制作」ということが不可分のセットになっていることです。文化人類学のフィールドワークは間主観的な過程——対話や質問と応答さらには再質問—— から成り立つことがほとんどで、アンケートや質問紙すら利用することも研究の初期にはあるものの、だんだんと使わなくなることもあります。このような過程 を通して、マリノフスキーのいうところの「文化の不可量部分」の析出に人類学者は注力します。他方、民族誌(エスノグラフィー)の制作とは、現地で収集したテキストデータ(フィールドノートやパソコンなどに記録されています)を再構成して、いわゆる実証主義的で科学的かつ客観的な記述体系にまとめることを意味します。その際に、ヨハネス・ファビアン(Johannes Fabian, 1983, 2006)は指摘したように、遠く離れた異文化の他者についての記述を、ある種の時間軸——ethnographic present[民族誌的現在]——のなかに固定してしまいます。自国語あるいは英語に翻訳された空間的に遠方の他者が、その読者とは「異なった時間」の 中に閉じ込められてしまい、それが、自分たちの文化とは異なる文化、すなわち異文化(other's culture)として固定化されています。ジェームズ・クリフォードのいう、民族誌的な凍結(ethnographic freezing)をされてしまいます。この他者の固定化は、文化人類学にとっては致命的な欠陥であり、同時代の同じ空間で同じ時間を共有する[してい た]他者を、異なった時空間の中に閉じ込めておく、あるいは、異なった時空間が、結果的に「虚構」にされてしまう、認識論的方法に重大な欠陥をもたらします。

フィールドワーク と関連する言葉の説明にリンクするページはこちらです

  1.  文化人類学者のトータル の活動については……  → こちら
  2.  参与観察・参加観察 (participant observation)……   → こちら
  3.  フィールドワークについ ての議論………………  → こちら
  4.  フィールドノートの整理 ついては………………  → こちら
  5.  インフォーマントについ ては……………………  → こちら
  6.  若いフィールドワーカー への助言………………  → こちら
  7.  フィールドワークの現象 学………………………  → こちら
  8.  フィールドワークに関す るエッセイ……………  → こちら
  9.  アクションリサーチとは………………………  → こちら
  10.  フィールドワーク研究の 倫理については……  → こちら

リンク

文献

その他の情報