はじめによんでください

創設者たち

The Founding Fathers: A Graphic Guide 008

池田光穂

■  教科書(Cultural Anthropology Remix 協賛):今回の教科書は Merryl Wyn Davies が著者、Piero がイラストレーターによる、その名も『人類学を紹介する(Introducing Anthropology)』出版社は Icon Books, 2002 です。8年後に改定されて、Merryl Wyn Davies and PIERO, Introducing Anthropology: A Graphic Guide, Icon Books Ltd., 2010.となりました。いわゆる啓蒙のためのイラスト・ブックです。カルスタもとい、カ ルチュラル・スタディーズのものは日本語に翻訳されているのでな いだろうか。とってもおもしろい本です。文化人類学の現代の問題系 にまでしっかり踏み込んでい ますが、そのことを 明確するために、人類学の歴史的ルーツに遡り考察するという姿 勢が貫かれています。つまり、骨太の人類学史の教科書ともいえるべきものです。それが、な、なんと邦訳されました!!! メリル・ウィン・デイビス『人類学』池田光穂+額田有美訳、現代書館、2021年10月 ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4768401095

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【II】人類学史 Part 1:創設者たち(父なる創設者たち:The Founding Fathers)
8.    建学の父たち
8. 建学の父たち

アラン・バーナードは、著書『人類学の歴史と理論』(2000[2005])において、すべてのモダン人類学の共通の祖先として、フランスの哲学者シャル ル=ド・モンテスキュー(1689-1755)の名前を挙げる。つまり人類学は、1748年の『法の精神』の出版から始まるというのだ。『法の精神』は、 啓蒙運動の産物である。

左上→右上 シャルル=ド・モンテスキュー、ルイス=ヘンリー・モーガン、ブロニスロー・マリノフスキー

左下→右下 エドワード=バーネット・タイラー卿、ヘンリー・サムナー=メイン卿

その後、1860年代にダーウィン主義の展望が開け、ヘンリー・サムナー=メイン卿(1822-88)、ルイス=ヘンリー・モーガン(1818-81)、 エドワード=バーネット・タイラー卿(1832-1917)、そしてジェイムズ・フレイザー卿(1854-1941)といった名高い人類学者たちによっ て、モダン人類学へとつながる知的伝統の輪郭が示される。1871年には、ロンドンに王立人類学協会(RAI)が創設される。フランツ・ボアズ、ブロニス ロー・マリノフスキー(1884-1942)、そしてA.R.ラドクリフ=ブラウン(1881-1955)が民族誌の実践を確立するときには、モダン人類 学はすでに始動している。

リ ンク

文 献

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